車の交通事故ニュースで、結構よく取り上げられるのが、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故です。
たぶん交通事故種別の全体でみると、件数の割合的には少ないと思いますが、ニュース記事になるとどうしても目がいってしまいます。
以前、高速道路での逆走に対して記事にしましたが、今回はブレーキとアクセルの踏み間違い事故について、件数や事故の特徴など、調べてみたいと思います。
踏み間違い事故のニュース
2020年に報道された、ブレーキとアクセルの踏み間違えによる事故には、こんなものがあります。
【中京テレビNEWS 2020.2.17】
17日午前7時すぎ、名古屋市南区白水町にある「だいどうクリニック」の立体駐車場で、男性(88)が運転する乗用車がバックで駐車しようとした際、防護柵に突っ込み、2階から約4メートル下に転落しました。この事故で、男性は頭に擦り傷を負い軽傷です。男性は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」などと話しているということで、警察が、当時の状況を調べています。
4m以上の高さから車で落下して、よく軽症ですみましたね。
【朝日新聞DIGITAL 2020.4.2】
岐阜県各務原市那加本町のJR那加駅構内で、線路上に乗用車が転落した。岐阜県警各務原署によると、同市の男性(82)が駅南側にある駐車場に車をとめようとした際、フェンスを突き破って駅のホームに進入し線路に落ちたという。列車との衝突などはなく、男性や同乗していた男性(45)にもけがはなかった。県警は運転していた男性が、アクセルとブレーキを踏み間違えた可能性があるとみて調べている。
それぞれ大事故につながらず、軽傷で済んでいることは、不幸中の幸いです。
どちらも、高齢者による事故です。

タイトルにも書いたように、私の感覚から言うと、ブレーキとアクセルを踏み間違えるという事が信じられません。
たぶん多くの人が、「えっ、何で踏み間違えるの?」と思っているのではないでしょうか。
やはり高齢者であるが故に、起こりうる事故なのでしょうか?
踏み間違い事故件数
多少古い統計ですが、交通事故総合分析センターによると、平成25年(2013年)の踏み間違い事故の件数は、6,402件でした。

年々、少しずつ発生件数は減少していますが、年間で6千件をこえるペダル踏み間違い事故が発生しています。
1日換算で、17件前後といったところですから、最初に取り上げたニュースのように、記事にする気になれば毎日でも記事にできるわけです。
では、この踏み間違い事故の大半は、やはり高齢者が起こしているのでしょうか?

65歳以上を高齢者と考えれば、たしかに高齢者がペダルの踏み間違いを引き起こす割合が高くなっています。
意外に、24歳以下の若い世代も踏み間違い事故を起こしています。
とはいっても、一番多いのは、やはり高齢による能力低下が起因する、踏み間違い事故です。その他の原因では、乗り慣れない車により、踏み間違いをおこす場合が結構みられます。
頭では、踏み間違えたら、すぐにブレーキペダルを踏み直したらいいと思ってしまいます。
ただ実際、ブレーキだと思って強く踏んだアクセルで車が急発進したら、パニックにおちいることは想像できます。
まして高齢者であれば、今何が起こっているのかと、訳がわからなくなってしまうでしょう。
踏み間違いを起こさないために
年齢に係わらず一番多いのが、発進時の踏み間違い事故です。

高齢者の場合、後退時の踏み間違いも多くなっています。
慌てることはもちろん、同乗者と会話をしながらの発進や、携帯電話の操作をしながらの発進はしないこと、ペダルの位置やシフトレバーの位置(前進、バック)を確認してから、動き出すことに注意するだけで、ずいぶん事故の確率を減らすことができるのではないでしょうか。
ちょっとした事でも、人は簡単に注意力を削がれてしまいますので、「自分は大丈夫」という思いを排除したいですね。
何事も、過信は禁物です。
高齢者による事故が起こると、高齢者が運転することに対しての賛否が議論になります。
高齢者も安全に車で移動できるよう今、自動運転の技術革新が進んでいます。
実用化も間近になっていますので、あと数年後には車の事故が激減する可能性はあります。
公益財団法人 交通事故総合分析センター
【交通事故分析レポート No.124】参照
【関連記事】⇒『高速道路で逆走車に出くわしたらどうしよう』
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