覇権国家(主義)・中国がスリランカの港を乗っ取るのか

スリランカ観光1 政治・経済関連

二つの世界的な戦争を経て、早72年がたち、21世紀となりました。

世界は徐々に平和な世の中になると思いきや、いまだに宗教・民族間の争い、国境紛争が絶えません。

更に、世界第二位の経済大国が、一党独裁の共産党国家であり、現在も覇権を拡大しようと領土領海への野心を剥き出しにしている現実があります。

北朝鮮の核ミサイル問題の陰に隠れて、中国の野望が、今回はスリランカで顕著になりました。

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スリランカで起こった出来事

スリランカで何が起こっているのでしょうか?

<宮崎正弘メルマガ12月12日号より抜粋>

『スリランカ、南の要衝ハンバントタ港をついに中国へ明け渡すはめに 80億ドルの負債の担保、99年の租借を承認へ』

スリランカはうっかり中国からプロジェクトを持ちかけられて乗った。たちまち中国からの融資が返済できなくなると、突如、金利等の諸条件が変更され、高利の上乗せと借金合計に対して新しい金利が課せられ、雪だるまのように膨らむ仕組み。

もともとそうやって中国の究極の狙いは担保権の行使なのだ。アフリカの各地で原油鉱区、レアメタル鉱区、農地の借地権など、ほとんど同じ手口だ。

南のハンバントタ港も、港湾工事、浚渫工事、免税特区の建設などが謳われ、うっかり地元政府は薔薇色のシナリオに乗せられて80億ドルを借りた。「借りた」という感覚はたぶんなかったのだろう。スリランカと中国企業との合弁が基本契約だったのだから。

しかし常套手段のように建材・建機・セメント鉄鋼など資材はすべて中国からやってきて、労働者も中国から派遣され、地元には何一つ還元されず、いつしか中国の潜水艦が寄港しており、地元の怒りは爆発して反中国暴動が起きた。 

この中国のスリランカに対する動きは、今年の7月に、他のマスメディアでも報じられていました。

【産経ニュース 2017.7.26】
中国は、インド洋周辺で港湾整備を支援する「真珠の首飾り戦略」により、ハンバントタ港の建設費をスリランカ政府に貸し付けた。
しかし、最高6・3%にも上る高金利により、スリランカ政府が債務の返済に窮し、港を所管するスリランカ国営企業の株式の80%を中国国有企業に99年間貸与することで昨年12月、中国側と基本合意した。

サマラシンハ港湾相は「中国側には、港を軍事目的では使わせないと伝えており、治安面の責任は、100%スリランカ政府にある」と述べた。

軍事目的では使用させないということですが、中国のことですから、どんな手を使ってくるのかわかりません。

現に、宮崎氏のメルマガに『中国の潜水艦が寄港して、地元の怒り』と書かれています。

港を99年間借り受けて、徐々に既成事実を積み上げながら権利を拡大し、気づいてみたら母屋を乗っ取られていたということになりかねません。

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スリランカについて

スリランカは、人口約2千百万人で、国土は北海道の8割程の大きさの国家です。

名目GDPは813億米ドルですので、世界では70番目くらいの経済規模の国家になります。

主な産業は農業(紅茶、ゴム、ココナツ)や繊維業で、歴史的には1948年まで英国の植民地でした。

スリランカと聞いて、世界地図で正確に国の場所を特定できる日本人が、何%くらいいるでしょうか。

↓ここです。

少し見ずらい地図ですが、スリランカの領海と排他的経済水域を見て下さい。

こんな感じです。

スリランカ領海

インド洋上に位置するスリランカは、マラッカ海峡と中東地域を結ぶ日本にとっても重要なシーレーン上の島国であることがわかると思います。

なぜ中国がスリランカに関与しようとしているのか、産経ニュースの地図をお借りして確認すると一目瞭然です。

中国一帯一路構想

中国がインド洋から南シナ海にかけて、スリランカのハンバントタ港を、一帯一路構想の一つの拠点にしたいがためです。

   『中国土地爆買い問題とアイヌ問題

日本にとって他人事?

スリランカで起こっていることは、これぞまさに、「これがお前ら(中国)のやり方かぁ!」です。

これはスリランカに限ったことではなく、南米でもアフリカでも行われている中国のやり方です。

これが21世紀になっても存在している、覇権国家の実態なのです。

 

日本に対しても、60年代以前は日本の領土と認めていた尖閣諸島を、現在は昔から中国の領土だと言っています。

更には沖縄まで、もともと自分達の支配下の土地だと主張してくるのです。

  『尖閣諸島を中国はどんな名称で呼んでいる?

尖閣諸島2

日本人のメンタリティでは、恥ずかしくてとても主張できる内容(事実無根)ではありません。

 

地政学的に日本は、中国大陸の国家と隣り合わせという環境を半永久的に変えることはできません。

覇権国家・中国が一日でも早く、民主的国家に生まれ変わってほしいものです。


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