千歳飴にアレルギー対応した商品はあるの? 原材料を確認してみた

千歳飴① 出産・子育て

七五三には欠かせない千歳飴。

着物を着た小さな子供が、引きずるように千歳飴を大事に持っている姿は、とても微笑ましいです。

千歳飴がなぜ食べられるようになったのかは、こちらの記事に書きましたので、関心ある方はご確認下さい。 『千歳飴をなぜ食べるのか

ところで、千歳飴でもアレルギー反応が出てしまうという話を、聞いたことがあるでしょうか。

『そばアレルギー』『たまごアレルギー』『ナッツアレルギー』『さばアレルギー』など、調べてみると結構な種類の物が、アレルギーの原因として存在しています。


普通は何でもない食べ物が、アレルギーを持った人にとっては、それば脅威の物質になってしまいます。

症状がひどいと、血圧低下や呼吸困難になってしまうこともありますので、アレルギーを持っている人は、目新しい食べ物を食べる時は、含まれている物を相当気にされるのではないでしょうか。


千歳飴の場合は、何がアレルゲン(アレルギーの原因)になってしまうのでょう。

一般的な千歳飴の原材料を確認してみると、多くの店で使われているのが、水飴と砂糖と着色料です。

ただ、これだといわゆる“ 昔ながらの千歳飴 ”の味でしょうから、子供が好む美味しい千歳飴かどうかは、別の話になります。

有名どころ(ネット検索で上位に表示)の千歳飴では、生クリームや練乳などが使われています。

例えばこちら、不二家です。


アレルギー情報として『乳』と書かれていますが、牛乳のことです。


創業半世紀以上の歴史のある岩井製菓(京都の飴工房)の千歳飴を見てみましょう。


赤と白の千歳飴には、全脂粉乳を使用していると書かれています。

全脂粉乳とは、牛乳を濃縮・乾燥させて粉状にしたものです。

ご覧のように、千歳飴の種類によっては牛乳が含まれているので、牛乳のタンパク質の一種が主なアレルゲンになります。

食物アレルギーで、卵・牛乳・大豆は食物三大アレルゲンと呼ばれています。

割合的にはこんな感じです。



これを年齢別で見て下さい。

乳幼児が牛乳の割合が高いのは当然ですが、小学生以降でも食物アレルギーのおよそ8%が、牛乳アレルギーだというのは個人的には意外でした。

千歳飴の話に戻ります。

牛乳アレルギーを持っている人は、千歳飴のこれくらい微量の『乳』でもアレルギー反応はでてしまうものなのでしょうか?

神奈川県立こども医療センターアレルギー科の津曲俊太郎医師のお話しです。

「食物アレルギーは、食べ物の中のたんぱく質に対して抗体が反応を起こし症状が出るものなので、その原因の食べ物のたんぱく質がどのくらい入っているかが、症状の出る・出ないに関わってきます。

例えば1枚当たり牛乳3ml分の乳成分が含まれる食パンがあったとすると、牛乳1mlでも症状が出てしまう人がその食パンを1枚食べるとアレルギー症状が出てしまうでしょう。しかし、牛乳5mlまでなら安全に摂取できる人であれば理論的には1枚食べても症状は出ないはずですよね。

また、チーズは牛乳を濃縮して作っているので、牛乳と比べるとかなり高濃度の乳たんぱく質が含まれているのですが、牛乳が1ml飲めるからチーズも1gは食べられると思って食べさせたら症状が出てしまったというケースもよくあります。

加工食品は表示を見ると「卵白が入っています」等としか書かれてないのですが、実際は卵白がどのくらい入っているかが大事です。クッキーだったら卵は少ししか入っていないかもしれませんが、カステラになるとたくさん卵が入っていたりしますしね。」

“食物アレルギーをむやみに怖がらないで”

要するに、食品に含まれる成分量と個人差によって、アレルギー反応が出るか出ないかの有無は、違ってくるということになります。

千歳飴においても、表示されている成分表を確認して、かかり付けの医師に相談するのが、良さそうです。


最後に、昔ながらの製法で千歳飴を作っている長野県松本市の飴屋さんを紹介しておきます。

こちらのお店は、砂糖を使わず、もち米から千歳飴を作っているそうです。
もちろん牛乳は使われていません。

【水飴・千歳飴の新橋屋飴店】


【関連記事】⇒『七五三では千歳飴をなぜ食べるのか


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