コンビニエンスストアの時短営業問題 オーナーの思いと背景を確認してみた

社会問題(課題)

日本でコンビニエンスストアが広がりをみせ始めたのが、1970年代後半でした。

食品から雑誌・日用品まで取りそろえ、朝早くから夜遅くまで店を開けている営業形態で、気軽に立ち寄れ、庶民に受け入れられました。

セブンイレブンは、その名のとおり、朝7時から夜11まで営業するお店として出発しています。

しかし更なるニーズに応えようと、1980年代前半には、24時間営業の店舗が大半を占めるようになり、コンビニエンスストアといえば、24時間営業が当たり前と受け止められるようになっていきました。

そんな状況の中、セブンイレブンの一人のオーナーが「24時間営業は無理」と悲鳴をあげました。

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セブンイレブンのオーナーの反乱?

【日本経済新聞 2019.2.21】
コンビニエンスストア「セブン―イレブン」を運営する大阪府東大阪市の加盟店オーナーと、チェーン本部のセブン―イレブン・ジャパンの間で24時間営業を巡る対立が起きている。

人手不足を理由に加盟店が営業時間を19時間に短縮したところ、本部側がフランチャイズ契約に違反する状態と指摘。これを受けて、オーナーが反発する事態となっている。

セブン―イレブン東大阪南上小阪店のオーナー、松本実敏さん(57)は1日、24時間営業を午前6時から翌午前1時までの営業に短縮した。松本さんは21日、日本経済新聞などの取材に応じ、営業短縮に関して「本部から違約金は1700万円と言われた」と話した。

日本経済新聞

松本さんは、2018年5月に癌で奥さんを亡くしています。生前は、夫婦が力を合わせてコンビニエンスストアを、切り盛りしてきました。

奥さんが亡くなり、アルバイトが立て続けに辞めたことが契機となって、今回の営業時間短縮に踏みきったのです。

最初は、高圧的な態度だったセブンイレブン・ジャパンでしたが、マスメディアが大きく取り上げたことと、松本さんの強い意志によって、対応を軟化させていきました。

そして、毎日新聞が伝えるように、営業時間短縮の実験的な取り組みを始めます。

セブンイレブン時短営業へ

【毎日新聞 2019.3.1】
セブン―イレブン・ジャパンは3月中旬から営業を16時間に短縮した店舗運営の実験を始める。宮城、栃木、東京、千葉、愛知、兵庫、福岡、熊本の1都7県にある直営店10店舗が対象となる。

人手不足が社会問題になる中、今回の実験がコンビニの24時間営業見直しにつながるか、注目を集めそうだ。

毎日新聞

また、公正取引委員会の山田事務総長が、4月24日の定例記者会見での質疑応答で、コンビニエンスストアの24時間営業について、独占禁止法の適用対象となる可能性に言及しことも、影響があるのかもしれません。

その後、10月のNHKの報道では、セブンイレブン・ジャパンの永松社長が、記者会見で以下のように語ったそうです。

【毎日新聞 2019.10.21】
人手不足が加盟店の経営を圧迫し、本部社員の応援など小手先の支援では足りなくなっている現状は各社に共通。24時間営業で成長してきたコンビニ業界は社会構造の変化に対応した新たなビジネスモデルの構築を迫られている

「24時間営業をしたくてもできない店がある。社会変化の状況にあわせ、柔軟に対応していく」。セブンの永松文彦社長は21日の記者会見でこう強調した。

毎日新聞

少子化が続き、団塊の世代以降の世代がどんどん退職していく中で、労働力人口数が確実に減ってきています。


厚生労働省資料より引用

一部の地域を除いて、コンビニエンスストアが本当に24時間休みなく営業する必要があるのか、問われている状況といえます。

これは、セブンイレブンだけの話しではありません。

ローソン・ファミマの時短営業

ローソンやファミリーマートでも、年中無休24時間営業の見直しに、動き出しています。

ローソンでは、元旦休日、更には週末休日も認める方向性を打ち出しました。

【産経新聞 2019.10.9】
コンビニエンスストア大手のローソンは9日、令和2年の元日に店舗休業実験を全国100店舗程度で実施する計画を明らかにした。

コンビニの24時間営業のあり方をめぐる議論が社会問題化したことを契機に、加盟店オーナーと店舗営業について話し合いを進める中で浮上した。

産経新聞

【読売新聞 2019.11.23】
ローソンの加盟店のうち関東地方と九州地方の計3店が、今夏以降、週末などに定休日を設けていることがわかった。毎日24時間営業するコンビニエンスストアが定休日を設けるのは珍しい。

ローソンによると、3店はオフィスや工場の近くにあって週末は利用客が少なく、売り上げが見込めない。

読売新聞

ファミリーマートでは、今夏に説明会を開き、10月中旬以降に実験的な試みおこなうと、日経ビジネスが伝えています。

【日経ビジネス 2019.8.23】
ファミリーマートは8月23日、営業時間短縮(時短)実験の参加希望店向け説明会を東京都内で実施し、約300人のフランチャイズチェーン(FC)加盟店オーナーらが参加した。

同社は既に東京、秋田、長崎の計24店舗で時短営業の実験を実施しているが、今回は最大700店まで実験を拡大する予定。

日経ビジネス

ファミリーマートが6月におこなったアンケート調査の結果では、およそ半分(48.3%)の加盟店が、時間短縮営業を『検討したい』と回答しています。

コンビニエンスストアの24時間営業の必然性を、真剣に考えていく時代になりました。

地域の利便性や社会インフラとしての深夜営業に、コンビニエンスストアが対応していくには、オーナーの負担があまりにも大きいのかもしれません。


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