ガーシー議員はなぜ当選できたのか? 国会登院しない場合の今後について確認

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8月3日から3日間開かれた臨時国会に、異色の参院選当選者NHK党のガーシー議員は、登院しませんでした。

ガーシー議員は現在、アラブ首長国連邦のドバイに滞在中で、日本にはいません。

日本に帰国しない理由をNHK党の立花孝志党首は「本人は警察が詐欺容疑などで不当逮捕する動きがあると主張している」と説明しています。

一応、ガーシー議員は参院議院運営委員会に海外渡航届けを提出していましたが、委員会では「納得がいく理由がない」との意見が出て、全会一致で “不許可” を決定しています。

タイトル通り、ガーシー議員の当選理由と、今後も国会に出席しない場合どうなるのか、確認してみたいと思います。

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ガーシー当選理由

ガーシー議員はどうして当選できたのでしょうか。

まず一つ言えることは、参議院の選挙の仕組みが、ガーシー議員に味方したということです。

参院選の比例代表しくみ

参議院議員選挙は、選挙区と比例代表の二つにわかれています。

ガーシー議員が立候補したのは、比例代表の方でした。比例代表は、定員が50議席です。

比例代表の投票の仕方は、政党名もしくは政党所属の個人の候補者名を投票用紙に書きます。
その総得票で、政党の獲得議席が振り分けられる仕組みです。

NHK党の総得票数は、125万3,872票でした。

振り分け方は、ドント方式と呼ばれる方法が用いられます。

ドント方式とは、簡単に言うと、各政党の総得票数をそれぞれ1、2、3、4・・・と自然数で割っていき、えられた商(得票数)の大きい順に議席を配分する方式です。

わかりやすく図でみてみましょう。

このドント方式で、NHK党は1議席を確保できました。

最も議席数を獲得したのは自由民主党で、18議席でした。


政党ごとの獲得議席が決まると、次は各政党内の争いになります。

ここで政党名ではなく、個人名で投票した意味が出ます。個人名での得票数が多い順で、上から当選者が決まるのです。

NHK党内では、ガーシー議員が得票数で党内第1位でした。知名度で他の候補者を圧倒していたからです。

2番目に多かったのは、山本太郎氏(れいわ新撰組の山本太郎と同姓同名)で、5万3,351票票でしたので、その差は歴然です。

比例代表で100万票前後取れればこうなるであろうと、立花孝志NHK党首もこの結果(ガーシー当選)を、十分想定していたでしょう。

衆議院の比例代表の場合は、全国が11ブロックに分かれていますので、票が分散してしまい、小さな政党が議席を得ることはかなり難しくなっています。

案の定、2021年の衆院選でNHK党は、1議席も獲得することができませんでした。

期待する一部の有権者

ガーシー議員が、全国から28万7,714票を集めたという結果は、得票として凄いことです。

投票した人に対して、暴露系ユーチューバーに投票するなんて、“民度が低い” という言い方もできますが、その反面で、既存の政党政治に対する閉塞感や不満を持っている人達が、ガーシーなら「何か突拍子もないことをやってくれるかも」との期待感を持った表れでもあります。

そしてそれは、今回の国会に登院するしないという形で、早速表面化しました。

ガーシー議員登院せず

3日間の臨時国会に出席しなかったガーシー議員は、参議院議員として今後どうなっていくのでしょう。

どんな処分が下る?

国会法の第124条にはこう書かれています。

【国会法】第124条 
議員が正当な理由がなくて召集日から七日以内に召集に応じないため、又は正当な理由がなくて会議又は委員会に欠席したため、若しくは請暇の期限を過ぎたため、議長が、特に招状を発し、その招状を受け取つた日から七日以内に、なお、故なく出席しない者は、議長が、これを懲罰委員会に付する。

参議院の常任委員会の中に、懲罰委員会があります。

議長からの召集に応じず会議や委員会を欠席すれば、懲罰委員会にはかられます。

懲罰委員会で賛成多数で採択されると、次は本会議にかけられ、本会議で出席議員の3分の2以上が賛成すると、その処分が下されます。

処分は、4段階にわかれています。

【国会法】第122条
懲罰は、左の通りとする。
一 公開議場における戒告
二 公開議場における陳謝
三 一定期間の登院停止
四 除名

一番重い処分は、参議院議員を除名されるということです。

ガーシー議員の逮捕は?

「警察が詐欺容疑で不当逮捕する動きがある」とガーシー議員は言っています。

もしガーシー議員への逮捕状が出ると、アラブ首長国連邦にいても捕まる可能性がでてきます。

日本が『犯罪人引き渡し条約』を結んでいるのは、米国と韓国のみで、アラブ首長国連邦とは結んでいません。

そのため、まずICPO(国際刑事警察機構)に国際手配を要請することになります。

ICPOからは、『国際逮捕手配書』がアラブ首長国連邦の法務省に送られます。ただし、ICPOには強制力はありませんので、アラブ首長国連邦がどう対応するかはわかりません。

そこで日本としては国際手配をおこなった上で、警視庁が外務省に『旅券(パスポート)返納命令』を出すように依頼します。

【旅券法】第19条
外務大臣又は領事官は、次に掲げる場合において、旅券を返納させる必要があると認めるときは、旅券の名義人に対して、期限を付けて、旅券の返納を命ずることができる。
一 一般旅券の名義人が第十三条第一項各号のいずれかに該当する者であることが、当該一般旅券の交付の後に判明した場合

【旅券法】第13条
外務大臣又は領事官は、一般旅券の発給又は渡航先の追加を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、一般旅券の発給又は渡航先の追加をしないことができる。
二 死刑、無期若しくは長期二年以上の刑に当たる罪につき訴追されている者又はこれらの罪を犯した疑いにより逮捕状、勾こう引状、勾こう留状若しくは鑑定留置状が発せられている旨が関係機関から外務大臣に通報されている者

これは『命令』の文書なので、ガーシー議員が通知を受け取らなくてはなりませんが、仮に受け取らなかったとしても、最終的には告知したということで処理されます。

そうなると、パスポートを所持していても無効となり、アラブ首長国連邦に滞在することが不法滞在になってしまいます。

結果として、アラブ首長国連邦から強制退去させられて、日本に送り返されるという結末をむかえることになります。

警視庁が噂通りガーシー議員の逮捕に踏み切るかどうかはわかりませんが、参議院の懲罰の動きが早まり “除名” になってしまうと、ガーシー議員は国会議員の身分を失うことになってしまいます。

さすがにそれを避けるために、ガーシー議員は日本へ帰国するのではないかと私は予想します。

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