銀行口座を持っていない人は、まずいないでしょう。
銀行の窓口に行ってわずかな時間さえかければ、銀行口座を作るのは簡単なことですし、今はインターネット銀行も多いので、その手間さえ省くことができる時代です。
また、必要に応じて、複数の銀行口座を持っている人も多いと思います。
ところが今、銀行口座に維持手数料がかかるかもしれないという話が、でてきています。

もしそうなるとしたなら、果たしていつ頃から口座維持手数料を、支払わなければならないのでしょうか。
また、手数料を取るその理由や、回避方法などがあるのかなども含めて、調べてみたいと思います。
口座維持手数料を取る理由
なぜ銀行は、口座維持手数料を取ることを検討しているのでしょうか。
手数料を取るようになれば、顧客が減るのはわかっているはずです。
それでも、今ままで取っていなかった料金を取るということは、それだけ銀行の経営状況が、厳しくなっているからです。
マイナス金利政策
2016年2月16日、日本銀行がマイナス金利政策を実施しました。
マイナス金利政策というのは、簡単にいうと、日銀が民間の金融機関から預かるお金の一部に、マイナスの金利をつける政策です。
日銀としては、「うちにお金を預けたら金利を取るから、その代わりに企業や個人への貸し付けに使ってね」としたいわけです。
こうすることによって、日本国内でお金を巡回させ、景気を良くする狙いがあります。ところが、これがうまく回っていません。
民間の金融機関は、日銀のマイナス金利政策と時を同じく、一般の預金者に対して金利を下げました。
都市銀行では、普通預金も定期預金もほとんどが、金利0.01%です。銀行に100万円を預けていても、年間でおよそ100円の金利しかもらえないということです。
銀行サイドとしては日銀同様に、預金者に対して、お金を預けるよりも別な方法で運用してもらいたいのです。
でも、日銀や金融機関の思うようには、事が運びません。これは日本政府の責任なのですが、この記事の趣旨ではないのでふれません。
インターネット銀行の台頭
また一般の銀行にとって、インターネット銀行の台頭が、経営に影響を与えているといえます。
インターネット銀行は基本、店舗を持ちませんので、駅前の一等地に店舗を構える従来の銀行のように、土地代や借地料金が必要ありません。
個別の店舗に案内係や窓口業務の人員をさくことも必要ないので、人件費も抑えることもできます。
コストという観点でいうと、一般の銀行は、到底インターネット銀行には太刀打ちできないのです。
以上の点から、収益が厳しい銀行としては、預金者に口座維持手数料の一部を負担してもらう選択もありなのではないかと、考えています。
口座維持手数料いつから取られる?
では実際に、口座維持手数料を支払うとしたら、いつ頃になるのでしょうか。
調べてみましたが、まだ具体的に、口座維持手数料の導入を決定している銀行はないようです。
いくつかの主要銀行のアナウンスを確認してみます。
みずほ銀行
みずほ銀行のHPにはこう書かれています。
お取引残高等にかかわらず、当面の間「無料」といたします。
みずほ銀行HP
※なお「有料」とする場合は、あらかじめ3ヵ月以上前にみずほ銀行ホームページ内インターネット支店ページ、および電子メール等でお知らせいたします。
また2019年10月の時点で、みずほ銀行の藤原弘治頭取は、フジサンケイビジネスアイのインタビューにこう答えています。
「口座維持手数料だけに焦点を当てるのではなく、手数料戦略全般をもう一度考える時期に来ている」と強調。
インターネットバンキングの利用を促すための窓口業務の手数料の引き上げや、販売を強化したい金融商品とその他の商品との手数料のバランス、特典を受けられる会員の各種手数料など、さまざまな手数料の増減で調整を図る。
SankeiBiz
三菱UFJ銀行
12月の報道では、現時点での預金者への口座維持手数料徴収は考えていないということです。
【日テレNEWS24 2019.12.6】
三菱UFJ銀行は取引が2年間ない預金口座について口座維持手数料を導入する方向で検討していることが分かった。
手数料は年間1200円程度を軸に議論を進めているという。導入する時期については対年秋以降を検討していて、すでに口座を持っている預金者については対象にしないという。
日テレNEWS24
三菱UFJ銀行では、出入金などの取引を2年以上していない口座については、口座維持手数料と取る方向で考えているというニュースです。
口座維持手数料回避方法

今まで支払っていなかった銀行口座の維持費が、急に発生するようになるのは、預金者としてはできれば避けたいところです。
米国やフランスなどの欧米諸国ではすでに、銀行口座を開設すれば、口座維持手数料が発生します。
ただし、一定の要件を満たした人には、口座維持手数料を無料にしています。
例えば、口座の残高が毎月一定以上であるとか、もしくは毎月一定額以上の利用があるなどです。
日本の銀行で口座維持手数料を支払うことが、まだ決定したわけではないので、回避方法をあれこれ言っても仕方ないところではあります。
しかし、ゆくゆく日本の銀行でも、口座維持手数料を取るということになるのであれば、米国の銀行のような形式をとる可能性は高いと思われます。
あまり使用していない銀行口座は、こういった機会に徐々に整理していくのが良いのかもしれません。
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