石破茂が離党する可能性はあるのか? 過去の離党歴と選挙区から考察してみる

石破茂離党 政治家

安倍首相の辞任会見をうけ、後任の自民党総裁が誰になるのか、注目されています。

情勢は、ほぼ官房長官の菅義偉議員に決まりそうですが、その先の先を考えて、石破茂議員と岸田文雄議員の総裁選での主張や得票数がどうなるのか、気になるところです。


石破茂議員は以前から、“次期総理候補” と言われてマスメディアから持ち上げられています。

しかし相変わらず、自民党国会議員からの信認度合いが低く、自身が率いる派閥『水月会』の所属議員以外の支持者が、増えない状況です。

今回の自民党総裁選挙で敗れた場合、石破茂議員は自民党を離党する可能性はあるのでしょうか。過去の離党歴や、石破茂議員の選挙区基盤を確認して、総裁選後の動向を探ってみます。

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石破茂・過去の離党歴

石破茂議員は、過去に一度、自民党を離党したことがあります。

1994年のことです。

石破茂議員が初当選したのが、1986年7月ですので、国会議員になってから、およそ7年半後のことになります。


1993年7月の衆院選は歴史的な選挙となりました。

今まで政権を担ってきた自民党に変わって、自民党・共産党以外の政党が連立を組み、政権交代がおこったのです。

連立政権の主な政党は、日本新党・新生党・日本社会党・公明党でした。

衆院選の直前に作られた新生党は、自民党を離党したメンバーで構成されていました。主なメンバーは、後に首相となる羽田孜氏や小沢一郎議員でした。

この時にはまだ、石破茂議員は自民党を離党していません。衆院選後、野党に転落した自民党の方針に従わず、石破茂議員は役職停止処分を受けて、離党することになります。


当然、石破茂議員にも言い分はあるでしょう。

ただ、自民党に残った議員にとっては、野党に転落した苦境の時に、党に見切りをつけて出ていった人とのイメージがあっても、仕方ないことです。

野合といえる連立政権は長続きせず、その後各党が離れたりくっついたりして、一大勢力の新進党が立ち上げられました。

1994年12月のことです。

自民党を離党してグループを作っていた石破茂議員は、この時に新進党の結党に参加します。

しかし、小沢一郎新進党党首との安全保障に関する考え方の違いから、1996年10月の衆院選前に、新進党を離党してしまいました。

その後、1997年3月に石破茂議員は、およそ3年ぶりに、自民党に復党することになります。

   『石破茂と小池百合子の関係は?

盤石の選挙区

石破茂議員の選挙区は、鳥取県第1区です。

鳥取県八頭町生まれの石破茂議員は、大学卒業後に、三井銀行(当時)に入行しますが、24歳の時に参議院議員をしていた父親の石破二朗氏が亡くなってしまいます。

石破二朗氏は、参議院議員の前には、鳥取知事を4期務めた政治家でした。


父親の政治基盤を受け継ぎ、石破茂氏が衆院選に出馬し当選したのは、28歳の時です。それ以降、石破茂議員は、連続11回の当選を果たしています。

直近の衆院選から順番に、鳥取県第1区の立候補者と得票を確認してみましょう。


第48回衆議院議員総選挙(2017年10月22日)

候補者名 政 党 得票数
石破茂自由民主党106,425票
塚田成幸日本共産党 20,829票

第47回衆議院議員総選挙(2014年12月14日)

候補者名 政 党 得票数
石破茂 自由民主党 124,746票
塚田成幸 日本共産党 17,550票
井上洋 無所属 5,325票

第46回衆議院議員総選挙(2012年12月16日)

候補者名 政 党 得票数
石破茂 自由民主党 93,105票
塚田成幸 日本共産党 22,888票

第45回衆議院議員総選挙(2009年8月30日)

候補者名 政 党 得票数
石破茂 自由民主党 118,121票
奥田保明 民主党 63,383票
岩永尚之 日本共産党 7,336票
細川幸宏 幸福実現党 1,757票

ご覧のように、石破茂議員は選挙区において、絶対的な強さを誇っています。

2009年の衆院選は、自民党が民主党に大敗して、政権交代がおこった選挙です。しかし鳥取県第一区では、圧倒的な得票で石破茂議員が当選しています。

まさに鳥取県第1区は、“石破王国” といった感じです。

もし仮に石破茂議員が無所属になったとしても、「おらが町の石破先生」として、政治家引退まで支持者は変わらない可能性大かと思います。

   『石破茂が総理大臣になれる可能性はあるか?

自民党離党の可能性

では実際、石破茂議員は今後、自民党を離党する可能性はあるのでしょうか。

選挙区基盤を考えれば、たとえ自民党を離党して無所属になっても、石破茂議員は今後も国会議員としての地位は安泰でしょう。

これは大きな強みです。しかしこれでは、ただ国会議員の地位にしがみついているだけの存在になってしまいます。


石破茂議員が1994年に自民党を離党した際は、志を同じくするメンバーがいて、再び政権ダッシュが可能な政治情勢でした。

ところが今は違います。

自民党一強時代で、その自民党を脅かす政党や勢力が、ほとんどいない状況です。

仮に石破茂議員が自民党を飛び出したとして、果たしてどれだけの『水月会』メンバーが行動を共にするでしょうか。

それを考えると、どんなに冷飯を食わされても、自民党内で時がくるのを待っている方が賢明です。

ただし、今まで同様の政治スタンスですと、マスメディアにはヨイショされても、自民党内での評価は一向に上がっていかない気がします。


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