首相が途中辞任した時の自民党総裁選 過去に党員投票は行われたのか確認してみる

自民党総裁選2020年 政治・経済関連

安倍首相が辞任する旨の会見を、8月28日におこないました。

安倍首相の説明では、難病の潰瘍性大腸炎の悪化によるとのことです。何はともあれ、7年8ヵ月の首相としての激務、お疲れさまでした。

自民党では早速、次の自民党総裁を決める準備に入っています。

通常であれば、自民党総裁選は、自民党国会議員や党員の投票によって決められますが、今回の自民党総裁選挙は、自民党国会議員と都道府県連の投票で決める方針です。

これに対して、疑問を呈する人達がいます。

【SankeiBiz 2020.8.30】
自民党の若手議員有志が安倍晋三首相の辞意表明に伴う総裁選の形式をめぐり、党員・党友らの直接投票を求める署名活動を始めることが29日、分かった。

発起人の村井英樹衆院議員は「広く党員の声を受け止めた上でリーダーを選ぶべきで、党員投票が行われることが望ましい」と産経新聞の取材に語った。

小林史明青年局長も28日付のブログに「国民と協力して国難を乗り切って行くためのリーダー選びとなる。党員投票をともなった総裁選を実施すべき」と書き込んだ。


【JIJI.COM 2020.9.2】
自民党総裁選で焦点だった後継者の選び方は、党員投票を省略して両院議員総会で決着させる方式に決まった。党員参加を求める声が相次いでいたが、新型コロナウイルス感染症に収束の見通しが立たず、時間をかけられないとの論理で二階俊博幹事長ら執行部がはねつけた。

過去における首相途中辞任後の自民党総裁選が、どのようにおこなわれたのか確認してみたいと思います。

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党員投票をしない理由

通常の自民党総裁選であればおこなう党員投票をしない理由は、何なのでしょうか?

一番の理由は、速やかに次期自民党総裁(結果的には後の首相)を、決めるためです。

自民党執行部の鈴木俊一総務会長によれば、「(党員投票を実施した場合)これから準備すると約2カ月かかる」ということです。

先ほどの記事にあったように、「新型コロナウイルス感染症に収束の見通し立たない」ことも理由の一つのようです。


ただし、本当に準備するのに2カ月間かかるのかということは、わかりません。

小林史明青年局長は「両院議員総会の場合から追加で1週間あれば党員投票ができる」と言っています。

どちらの意見も何を根拠に述べているのかわからないので、私達では判断できません。


単純に比較はできませんが、新型コロナウイルス感染で、国民一人当たり10万円の給付がなされた時のことを思い出して下さい。

地方自治体によって、給付時期にだいぶ差がでました。

自民党党員を全国一律管理しているのか、それとも都道府県ごとに管理しているのかわかりませんが、プラス1週間で本当に各都道府県で党員投票の準備ができるのか、個人的には疑問を感じます。

途中辞任・過去の自民党総裁選

では過去において、首相が途中辞任した際に、自民党総裁選はどのように行われたのでしょうか。

最近の総裁選(途中辞任)から、確認してみましょう。

2008年総裁選

2008年9月22日におこなわれた自民党総裁選は、当時の福田康夫首相の辞任をうけて、おこなわれました。

選挙の結果、麻生太郎議員が自民党総裁に選出されます。

福田康夫首相の辞任会見が9月1日で、自民党総裁選の告示日が9月10日、投開票は9月22日でした。

2008年の自民党総裁選も、今回予定されている両議院議員総会による総裁選挙でおこなわれ、衆参両院議員票(386票)と都道府県票(141票)で争われました。

2007年総裁選

2007年は、安倍首相が改革を急ぎ過ぎたことで、自民党議員や官僚の反発を受け、持病による体調悪化もあり、辞任に追い込まれました。

安倍首相の辞任会見が9月12日で、告示日は2日後の9月14日、総裁選挙は9月23日におこなわれています。

安倍首相の潰瘍性大腸炎の悪化ということもあり、2008年と比較すると、駆け足で総裁選挙がおこなわれたことがわかります。

2007年もやはり、両議院議員総会による総裁選挙でおこなわれ、福田康夫議員と麻生太郎議員の一騎打ちで、福田康夫総裁が選出されています。

この際も、衆参両院議員(387票)と都道府県票(141票)で争われました。

2001年総裁選

森喜朗首相の辞任でおこなわれた総裁選は、それまでの議員数(票)と都道府県票各1票で争わわれていたものを、都道府県票各3票(予備選で1位になった候補が3票を獲得する勝者総取り方式)に変えておこなわれました。

現在行われている党員票のドント方式は、まだ採用されていませんでした。

現在の自民党総裁選の仕組みについては、『自民党総裁選挙 議員票と地方票の比率や仕組み』に書きましたので、参照してください。

森喜朗首相は、4月6日の閣僚懇談会で辞任を表明し、総裁選挙は4月24日におこなわれています。

2000年総裁選なし

4月1日に緊急入院した小渕首相が、脳梗塞を発症しました。

入院直後に、小渕首相のその病状から、後継者を誰にするかという議論になります。

“五人組” と称された当時の自民党有力国会議員が集まり、森喜朗議員を総裁に推すことを決定します。

4月4日には小渕内閣の総辞職が決定し、その後開かれた自民党両院議員総会で森総裁が選出されました。

結局2000年に、自民党総裁選挙はおこなわれていません。ちなみに小渕首相は、入院したまま5月14日に亡くなりました。

まとめ

確認してきたように、首相の途中辞任後は、自民党両議院議員総会による総裁選挙がおこなわれるのが通例でした。

実際、自民党の党則には、以下のように記されています。


今回の安倍首相の場合は、体調不良を訴えての辞任ですので、できれば早急に、次期総裁を決めて、政治に支障がないようにしようとするのは、当然です。

総裁選に際して、ことさら石破茂議員が不利になるように自民党が画策してるよう報道するのは、ちょっとバランスを欠いているように感じます。


もちろん政治は、宣伝やアピールの仕方で、形勢逆転が起こりうるので、石破茂議員を応援したい人や組織が、「党員投票をしろ」アピールをするのは一向にかまいませんが、マスメディアがこれをやるのはちょっとまずいですね。


【関連記事】⇒『自民党総裁選挙 議員票と地方票の比率や仕組み

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