小池百合子都知事と都民ファーストの会は今後どうなるのか?

政治・経済関連

7月5日、東京都知事選挙が終わりました。

当初予想されていたように結果は、小池百合子都知事が、圧勝しています。獲得票は、366万票でした。

新型コロナウイルスの収束や、延期された東京オリンピックの来年開催の行方など、大きな課題が2期目の小池都知事の前には立ちはだかっています。


また、東京都議会議員の補欠選挙も、東京都知事選挙と同時に投開票されました。

北区の選挙区で、自民党や立憲民主党の候補者と争った、都民ファーストの会の天風いぶき候補は以前、小池都知事の秘書を務めていた人物です。

しかし天風いぶき候補の得票は、5候補者中、4位という結果でした。


今後、小池都知事と都民ファーストの会は、どのような歩みをしていくのでしょうか。

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小池百合子の今後

1952年7月15日生まれの小池都知事は、まもなく68歳になろうとしています。

国会議員時代

小池都知事が政界に進出したのは、1992年7月の参議院議員選挙で、当時は40歳の若さでした。

それから間もなく、30年が経とうとしています。

日本新党では細川護熙氏、自由党時代は小沢一郎氏の後ろ盾をうけ、自民党に入ってからも清和政策研究会(現在の細田派)がバックに存在していました。


また、自民党の実力者・二階幹事長との関係は、小池都知事が自民党を離党した現在も良好です。

二人は、新進党時代から自民党に入る(二階氏は復党)まで、ほとんど行動を共にしてきた仲になります。

都知事選出馬と政界再編の野望

小池都知事の今後を考えるうえで、特に確認しておきたい事は、小池都知事が都知事になった直後の行動です。


自民党を飛び出した小池都知事は、2016年の都知事選で、自民党から推薦をうけた増田寛也候補に、100万票以上の差をつけて圧勝しました。

その勢いで小池都知事は、都民ファーストの会を立ち上げます。

翌年の東京都議会議員選挙では、都民ファーストの会が、自民党議員の倍以上の55議席を獲得して、第一党となりました。(都議会定数127)


ここで終わっていれば、東京都政を改革するために、小池都知事は頑張ったという印象を、受けることができたかもしれません。

しかし小池都知事は野心を隠すことなく、同年秋の衆議院議員選挙前に希望の党を作り、国政まで自身の影響下におこうとしました。

大都市とはいえ、一都道府県知事がおこなうような行動とは、到底いえません。

結果はご存知のように、民進党の解党を招き、「排除します」の言葉が希望の党の勢いをそいでしまい、躍進することはできませんでした。

そこそこの議席(50議席)しか獲得できなかった希望の党に対して、小池都知事は急速に関心をなくしたかのように、代表を降りることになります。


希望の党による政権獲得が夢に終わると、小池都知事は何事もなかったかのように、都庁に戻っていきました。

目指すは内閣総理大臣か

攻める時は果敢に攻めても、守勢にまわると弱さを見せ、いったん関心を失った対象には冷徹な態度をみせる、そんな一面が小池都知事にはあるように感じられます。


東京都知事2期目の小池都知事にとって、来年予定されている東京オリンピック開催ができるか否かは、今後の政治活動に大きな影響を与えることが予想できます。

日本はまだしも、世界各国の新型コロナウイルス感染状況を考えると、来年のオリンピック開催は、まだまだ不透明です。

もし仮に、東京オリンピックが中止となったならば、小池都知事の東京都政に対する関心が、急速にしぼんでいくような気がします。

それは上記でみてきた、小池都知事の最初の都知事選後の行動を振り返れば、想像ができます。


大臣にもなった、都知事も経験した、最後に残るのは、内閣総理大臣の椅子だけです。

「そんなことを本当に考えているのか?」という疑問を持つ人もいるでしょう。

しかし、強力なポスト安倍がいない現状、野党の頼りなさ、繋がっている自民党有力幹部の二階幹事長との関係から、決して小池百合子都知事は、その夢を諦めてはいないはずです。

都民ファーストの今後

都民ファーストの会の前途は、多難といえます。


その試金石となったのが、冒頭で紹介した北区の東京都議会議員補欠選挙でした。

選挙の各候補の得票数を見てみましょう。

  候補者名   政  党  得票数 
やまだ 加奈子  自民党 52,225票
斉藤 りえ 立憲民主党 36,215票
佐藤 こと 維新の会 33,903票
天風 いぶき 都民ファーストの会  23,186票
しんどう かな ホリエモン新党  6,125票

都民ファーストの会の天風いぶき候補は、候補者中4位という結果に終わっています。

この選挙中に、小池都知事は一度も、天風いぶき候補の応援演説に駆けつけていません。

もちろん自身の都知事選挙でも街宣をおこなっていませんので、一貫性を持たせるために仕方がなかったところはあります。

小池都知事の天風いぶき候補への応援は、1分30秒の動画での応援のみでした。


それぞれの選挙区事情があるので、この補選だけの結果で、すべてが分かるわけではありません。

例えば、本来の都議会議員選挙の北区選挙区は、定数が3名です。

通常の都議選では、こちらの区から公明党が1名立ちますので、自民党候補に公明党の票は入りません。

今回は補欠選挙だったために、公明党は候補者を立てませんでした。

その公明党票が、当選したやまだ加奈子候補に流れたため、5万票を超える票を得ることができたのです。


それを考えると、天風いぶき候補は善戦したと見ることもできます。

もっと時間をかけて地域に根差した活動をし、後は小池都知事が都民ファーストの会に再度意識を向ければ、もっと票の上澄みが可能です。

来年の選挙では、都民ファーストの会の都議会議員が、どこまで各選挙区内で地道な活動を続けてきていたのか問われます。


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