マイクロプラスチック問題をわかりやすく知る 人体への健康被害はあるのか?

マイクロプラスチック2 社会問題(課題)

世界には様々な問題があります。

宗教・民族間の対立、飢餓・貧困問題や環境汚染など、多岐にわたります。そのなかで今注目されている問題の一つに、マイクロプラスチック問題があります。

この機会に、マイクロプラスチックの詳細について、確認してみましょう。

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マイクロプラスチックとは?

マイクロプラスチックとはその名のとおり、微細なプラスチックの粒子(5㎜以下)のことです。

大きく分類すると、最初からマイクロプラスチックとして製造されたものと、大きなサイズとして作られたプラスチックが、自然環境中で破砕・細分化されてマイクロサイズになったものに、分けることができます。

マイクロプラスチックとして製造された物の中に、『マイクロビーズ』というものがあります。
『マイクロビーズ』は、洗顔剤や歯磨き粉、化粧品などに含まれています。

マイクロプラスチック問題が指摘されるようになって、『マイクロビーズ』を使用しない製品も出ています。

イギリスやカナダのように、『マイクロビーズ』含有の製品の製造・販売を法律で禁止する国もあります。

これらの粒子は、下水道を通って、最終的には海に流れていきます。

(大きな)プラスチック製品が、世界中の海に捨てられていることは、よく報道などで聞いていることかと思います。

日本海岸にも、中国語やハングル文字が書かれた、大量のプラスチックゴミが流れ着き、海岸がゴミの山になっている映像や写真を見たことはあるでしょう。

このように海に捨てられたプラスチックが、破砕・細分化されてマイクロプラスチック化してしまいます。

マイクロプラスチックの何が問題か

マイクロプラスチックの何が問題なのでしょうか。

先ほど、マイクロプラスチックの製品として、マイクロビーズを含む洗顔剤や歯磨き粉をあげました。

これらの製品は、使用者の洗面所やバスルームから流れ出て、下水処理施設のフィルターを通過し、川や海・湖に流れ込んでいます。

マイクロビーズが川や海に流れ込むと聞けば、その後の光景が何となく目に浮かぶでしょう。

流れ出たマイクロビーズを、動物プランクトンや魚が飲み込んでしまいます。

プラスチックは、汚染物質を吸着しやすい性質があるので、魚はマイクロビーズだけではなく、吸着した有害物質も一緒に飲み込むことになります。

そして最後に、その魚を食べるのは、人間です。


現時点でマイクロプラスチックが人間に与える影響については、あくまで『要因として考えられる』や『懸念される』というレベルのものです。

しかし、付着した有害物質も一緒に食べているということになるので、身体に良いはずはありません。

ただし有害なものは人間、他にもいくらでも取っています。問題はその摂取量でしょう。

もちろん、“人間が食べるから心配” というだけではなく、人間が作り出した物で、自然環境に悪影響を与えてしまっていることに、留意すべきです。

環境省の見解

環境省は、マイクロプラスチックについて、どんな見解を示しているのでしょうか。

環境省では現在、プラスチック全体の課題として、「プラスチック・スマート -for Sustainable Ocean-」というキャンペーンをおこなっています。

その趣旨について環境省は、このように述べています。

本キャンペーンでは、一つの旗印の下に幅広い主体の取組を募集・集約し、ポイ捨て撲滅を徹底した上で、不必要なワンウェイのプラスチックの排出抑制や分別回収の徹底などの”プラスチックとの賢い付き合い方”を全国的に推進し、我が国の取組を国内外に発信していきます。

プラスチック・スマート

具体的な取り組みとして全国の地方自治体では、例えばリサイクルステーションの設置であるとか、イベントではリユース食器を使用する運動とか、海岸漂着物発生抑制対策事業などを行っています。

各地方自治体や企業の取り組みを集約して、有効な方法を全国展開していくことを、環境省では考えているようです。

解決策はあるのか

自然界や人間に悪影響をおよぼす恐れのあるマイクロプラスチックの問題を、世界各国や日本はどうやって解決しようとしているのでしょうか。

プラスチックを減らす

まず第一は、プラスチック製品自体を減らしていこうとする取り組みです。

レジ袋を有料化する国や、レジ袋の製造・販売自体を禁止する国もあります。
また、スーパーの食品容器を別のものに変えていっている国もあります。

レジ袋1

   『レジ袋の有料化で環境省はどんな効果を望んでいるのか?


各企業にもその動きは広がっています。

例えば、コカ・コーラでは、ペットボトルの素材自体の変更をすることに挑戦中です。

スターバックスでは、2018年からプラスチック製のストロー使用を取りやめ、2020年までに世界中の店舗で全廃していく予定です。

リサイクルの充実

第二には、更なるリサイクルの徹底です。

日本はすでに、廃プラスチックの有効利用率が2017年現在、86%と高い水準になっています。もちろんこれは、世界でトップクラスの数字です。

その反面、使い捨てプラスチック包装容器の1人当たりの廃棄量が、日本はアメリカに次いで世界で2番目に多い国でもあります。

「有効利用しているから廃棄量が多くても仕方ない」ということもいえますが、「そもそもプラスチック包装容器がそんなにたくさん必要か」と考えてみる必要はあります。


環境省は2018年6月に、プラスチック資源循環戦略小委員会を設置しました。

この委員会では、プラスチック使用料の削減はもちろん、廃プラスチックの効率活用についても推進しています。

廃プラスチックの有効利用率が高い国として、国際貢献できる国が、日本でもあるのです。

プラスチック海洋廃棄問題

そして第三には、海洋環境に影響を及ぼす海洋へのプラスチック廃棄問題への取り組みです。

こちらの表をご覧ください。

海洋流出ゴミ量国ランキング

海に廃棄するプラスチックゴミが、圧倒的に多いのは中国です。東南アジアの国々も、相当な量のプラスチックゴミを海に棄てています。

日本は他国と比較すると、明らかに量が少ないのですが、その反面、中国や東南アジアに、廃プラスチックを輸出しているという側面があります。

中国は2017年から、プラスチックを始めとする廃棄物の輸入を制限するようになりました。

マレーシアでも2018年7月から実質的に廃プラスチックの輸入を禁止していますし、タイやベトナムでも輸入基準の厳格化などが進んでいます。


そういった状況をみれば、日本では輸出以外で、廃プラスチックの処理方法をもっと充実させていく必要があります。

海に物を捨ててしまうという行為は、倫理観の問題です。

「こんな広い海(もしくは川)に、自分達がこれくらいの量のゴミを捨てても問題ないだろう」そういう考えが、結果として海洋廃棄物の量が減らない大きな理由です。

私が調べてきた限りのことで言うと、マイクロプラスチックの問題と、大きな意味でのプラスチックの製造・使用問題は、分けて考える必要があります。

マイクロプラスチックによって海洋が汚染されていくのは、今まで見てきたように、主にマイクロビーズと海に捨てられるプラスチックゴミが原因です。

国際的にみてもマイクロプラスチック問題は、今後も拡大していく可能性が高いです。

国内で成果を出している日本の技術を、世界にどう還元していくのかが、期待されています。


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