北京冬季オリンピックのボイコットに日本は踏み切るのか 決断するのはいつ頃?

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次の冬季オリンピックは、2022年2月4日から北京で開催予定です。
アジアで開催される冬季オリンピックとしては4回目(日本2回・韓国1回)で、中国では初めてのことになります。

しかし現在、この冬季北京オリンピック参加をボイコットした方が良いと主張する人達がいます。

北京オリンピックボイコット主張の経緯と、日本はボイコットをするのかしないのか、その辺りを確認してみます。

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北京オリンピックをなぜボイコット?

北京オリンピックボイコットを主張しているのは、中国の少数民族ウイグル人・チベット人や香港を代表する複数の国際人権団体です。

主張は明確で、中国国内の少数民族への弾圧やジェノサイド(民族大量虐殺)、香港における人権弾圧を継続する国家が、“平和の祭典”を開催すべきではないというものです。

過去において、米国とソ連が覇権を争っていた冷戦時代、1980年のモスクワ夏季オリンピックを米国がボイコットする事件がおこりました。
ボイコットの理由は、ソ連によるアフガニスタン侵攻を非難するためです。

米国は、自由主義陣営(西側諸国)にもボイコットを呼びかけました。
その結果、60ヵ国をこえる国々が、モスクワオリンピックをボイコットする結果となります。

米国の舎弟のような立場の日本は、当然ボイコットする選択肢しかありません。
結局、その4年後におこなわれた米国ロサンゼルスオリンピックでは、ソ連を中心に東欧共産主義陣営がボイコットに踏み切りました。

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ボイコットを匂わす国

では、国際人権団体の他に国家として、北京オリンピックボイコットを宣言している国はあるのでしょうか。

現時点では、国家としてボイコットを主張している国はありません。
ただ一時話題になったのが、米国国務省のプライス報道官の以下の発信でした。

【ワシントン時事2021.4.7】
米国務省のプライス報道官は6日の記者会見で、中国による人権侵害に懸念を示し、来年2月に開幕予定の北京冬季五輪について、ボイコットの是非を同盟国や友好国と議論したい考えを示した。
「協調した対応は、米国だけでなく、同盟国や友好国の利益でもある」と指摘した。
共同ボイコットについて同盟国と協議するか問われて「われわれが議論したいことだ」と答えた。

米国内では中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害などへの反発から北京五輪ボイコットを求める声が上がっている。

【産経新聞2021.4.7】
プライス氏は、米国が同盟諸国などと一緒に共同ボイコットに踏み切る可能性に関し「議論したい事項だ」とし、「連携した取り組みは米国だけでなく同盟・パートナー諸国の利益にもなる」と指摘した。
同氏は一方で、「今はまだ2021年4月で、北京五輪は当分先だ」と指摘し、いつまでに参加の是非を決定を下すかは定めていないと強調した。

プライス報道官の発言に対して翌日には、サキ大統領報道官が反応しています。

【朝日新聞2021.4.8】
米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は7日、来年2月の北京冬季五輪について、「我々の立場は変わっていない。我々は同盟国・友好国との間で共同ボイコットについて議論したことはないし、議論していない」と強調した。
サキ氏はまた、「我々は同盟国・友好国とあらゆるレベルで共有する懸念について緊密に協議している」と述べつつ、「北京冬季五輪に関する計画の変更について議論をしていることはない」と語った。

プライス報道官は、ボイコットに対する「議論をしたい」という希望を言っただけで、あくまで『北京オリンピックはまだ先の話』とも言っています。
それでも、中国を刺激するのには十分でした。

米国民主党や共和党の中には、ナンシー・ペロシ下院議長やミット・ロムニー上院議員、ニッキー・ヘイリー元国連大使のように、北京オリンピックボイコットを声高に叫ぶ人も多くいます。

【ロイター 2021.5.19】
米民主党のペロシ下院議長は18日、2022年の北京冬季五輪を巡り、選手団以外の外交使節の参加を見送る「外交的ボイコット」を実施するよう呼び掛けた。
超党派の議会公聴会で「私が提案するのは、他の人からの提案と同様に外交的ボイコットだ」とし、世界の主要国は北京五輪への参加を控えるべきと主張。「現在行われているジェノサイド(民族大量虐殺)を踏まえると各国首脳が中国に向かうのは実に疑問だ」と述べた。

米国と中国との間では、すでに情報戦や経済戦というレベルの “戦争” が始まっています。
米国が北京オリンピックボイコット世論を高めることで、確実に中国へのプレッシャーになっているでしょう。

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日本の現在の対応と今後の行方

日本は、東京オリンピックを目前に控える立場ですから、今すぐに中国を刺激する必要はありません。
また現状、国家として北京オリンピックボイコットを主張している国がないことから、日本が先陣をきってボイコットを叫ぶことはないはずです。

日本の政界・官界・財界は、親中派が影響力を発揮している状態です。
彼らからすれば、北京オリンピックボイコット問題に対しては、できるだけ触れてほしくないというのが正直なところしょう。

中国が少数民族におこなっている弾圧を、米国国務省や英国議会下院が『ジェノサイド(民族大量虐殺)』認定しても、未だに日本は国会での非難決議さえできていません。
これは、政界で中国共産党の顔色をうかがっている人達が、いかに多いかの証左でもあります。

東京オリンピックが終わった後に、果たして日本は、北京冬季オリンピックに対してどういったスタンスを取るのでしょうか。
ボイコットするか否か、日本が主体的に判断するはずもなく、米国の対応に準じて対処していくはずです。

たぶん米国は、北京オリンピックに対して完全なボイコットに踏み切ることはないと思います。
というのは、1980年のモスクワ夏季オリンピックの際、ボイコットで一枚岩になれなかった経験があるからです。

モスクワオリンピックでは、米国の呼びかけにもかかわらず、英国やフランス、イタリアやオーストラリアはオリンピックをボイコットせずに、選手団をモスクワへ送りました。

米国は、中国との覇権国家争いに絶対負けられません。
対中国で一致団結していくために、あえて踏み絵となるような北京オリンピックボイコットを、米国は友好国に強要しないと考えられます。

ボイコットするにしても、ペロシ下院議長が主張するように、ジェノサイドに抗議する意味で、選手団以外の外交使節の参加を見送る「外交的ボイコット」で、選手団のみのオリンピック参加となるのではないでしょうか。

日本は、東京オリンピック後、更には衆議院議員(任期10月21日・早期解散あり)選挙が終わらないことには、北京オリンピックボイコットの話も出てこないはずです。


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