日本で“親権”の現状はどうなっているのか?

出産・子育て

男性格闘家の才賀さんと女性タレントのあびるさんが離婚して、親権問題が発生しているというニュースがあります。

【文春オンライン 2022.7/20】
あびると才賀は2014年9月に結婚。2015年5月にAちゃんが誕生した。
しかし2019年12月に2人は離婚。Aちゃんの親権は才賀が持つと公表した。
あびるは年が明けた2020年1月、すぐに東京家裁でAちゃんの親権者変更を求める調停を起こしている。
同年8月には子どもの引渡しを求める調停を申し立てた。
そして2021年2月12日、東京家裁が審判を下した。
Aちゃんの親権者をあびるに変更し、引き渡すことを命じたのである。

文春オンライン

日本では夫婦が離婚した場合、子供の親権はどちらかが単独で持つことになります。

今回のケースは、離婚時は父親が親権者になっていたけれども、裁判によって親権者が母親に変更になったということです。

“親権”は、当事者にならないとあまり意識しない話題ではありますが、日本では法律でどう定められ、どのような現状なっているのか確認してみます。

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親権の現状

親権とは

民法の第四章に『親権』という項目があります。

【民法第818条】親権者 
成年に達しない子は、父母の親権に服する。
親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。

民法

離婚していない場合は、父母の共同親権が認められているということが書かれています。
では、離婚したらどうなるのでしょうか。

【民法第819条】
父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
2 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。
6 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。

民法

離婚することで、父母のどちらかが単独で親権を持つことになるのが、日本の現状です。

今回の格闘家とタレントのケースは、民法第819条の6が適用されたことになります。

離婚後の親権の現状

民法819条によると、夫婦間に子供がいる場合、協議または裁判によって一方の親権者を定めなければならないとあります。

離婚後の父親と母親が親権者となる割合は、日本では実際どうなっているのでしょうか。

厚生労働省の人口動態調査によると、2019年の親権を取得した父親の割合は約12%、母親の割合は約84%でした。

圧倒的に、母親の方が親権者となる割合が多くなっています。

日本の子育てにおける父母の関り度合いが、そのまま離婚後の親権取得の割合に反映している気がします。

養育費の問題

親権の問題と共によく問題視されるのが、養育費の未払い問題です。

離婚後にシングルマザーとなった女性が、元夫から養育費を受け取ることができずに、困窮して子供に対して十分な食事や教育の機会を与えられないことが多々あると、時たまニュースになります。

養育費については、法律的にはどう書かれているのでしょうか。
民法の766条にこう書かれています。

【民法第766条】
父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。
この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。

民法

監護というのは、簡単にいうと子供の面倒をみることです。(生活の監督・保護)

【民法第820条】
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

民法

これは、親権者の一つの権利であり義務である身上監護権があるということです。

監護費用の分担、これがすなわち養育費です。

養育費の金額は基本的には話し合って決めることになります。
話し合っても金額をなかなか決められない場合は、民法766条の2にあるように、家庭裁判所の家事調停手続きをすることができます。

では現状で、養育費がしっかり支払われている割合はどのくらいなのでしょうか。

厚生労働省では、平成28年(2016年)に全国ひとり親世帯等調査をおこないました。(調査の概要

その調査によると、『養育費の取り決めをしていない』家庭が、54.2%です。

離婚した家庭の半分以上が、子供を養育するための費用を決めていないということです。
これにはちょっと、ビックリします。

取り決めせずともしっかり養育費は払っていると信じたいところですが、そうではありません。

母子家庭の母親の養育費受取り状況は、『現在も受けている』が24.3%で、『受けたことがない』が56%にもなります。
この元夫の無責任さには、憤りすら感じます。

公平を記すために、父子家庭の養育費についても書いておきます。

父子家庭の場合、元妻と養育費の取り決めをそもそもしていない家庭が74.4%で、取り決めをしている家庭は20.8%しかありません。

また、養育費を『現在も受けている』家庭は、わずか3.2%です。


離婚するのは仕方ありません。

しかし、養育費未払いという父母のエゴが、子供の生活環境に負の影響をもたらしていることは間違いありません。

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