少子高齢化は、労働者人口の減少をともないます。生まれる子供が減れば、20年先の成人(労働者)が減ることになるので、当然です。
その対策の一つとして、外国人労働者の受け入れ案がでてきています。少子化で労働人口が足りない分は、外国から補えばいいという考えです。
これは、企業がどう対応するかというよりも、日本政府がどういった政策をとるかという問題が先になります。
「日本は少子高齢化なんだから、外国人労働者を受け入れるしかない!」本当にそうなのでしょうか。
外国人労働者受入れ大丈夫?
この外国人労働者受け入れには、注意点があります。
一昔前から日本人は、『3K』の仕事を特に嫌うようになってきました。いわゆる、『汚い』『きつい』『危険』な仕事です。
日本人がその3K嫌いの傾向を更に強め、もしほぼ無条件で外国人労働者を受け入れていった場合、3Kの仕事はあっという間に外国人労働者でいっぱいになるでしょう。
日本には仕事が豊富にあり、賃金は自国の数倍もらえる好条件なのですから。
日本人であれば、日当1万円支払わなくては人が集まらないところ、外国人は7千・8千円でも喜んで仕事をしてくれるということであれば、雇う側にとってこれほど有難いことはありません。
やがて日本人の仕事、外国人の仕事と、はっきり色分けがされるようになっていくでしょう。
実際ヨーロッパの国々では、上記のような状態になっています。
「それでうまくいけばいいんじゃない?」
確かにうまくまわっていけば、それでいいかもしれません。これが仕事だけの区別だけで済めば問題ありません。
区別が不当な差別へ
ところがこれはやがて、居住区の問題へと進んでいきます。
外国人労働者が、国ごとに集まり、コミュニティーを形成していくのは必然です。
そして言葉、文化の違いから更なる区別が始まり、区別は少しずつ不当な差別へと形を変えていく可能性があります。
経済が好調な時はいいでしょう。「金持ち争わず」ということわざがあるように。
ところが一転、経済が不調となり、給料が下がり仕事がなくなってきたらどうなるでしょうか。
その不満の矛先は、政府に向かい、その政府がとっている政策に向かいます。
更には、日頃から不満を持っていた外国人労働者への恨みと化し、排他的な言動が生み出されていきます。
正にその状態が、EUです。
外国人労働者受入れ前にすべきこと
いずれにしても、少子高齢化と外国人労働者受け入れ問題は、同じ土俵の上で語れるような問題ではありません。
労働者不足を補うのは、外国人労働者の前に、女性であり、高齢者であってほしいものです。
女性や高齢者がいかに、やりがいを持って活躍してもらう社会環境を作るか、それを考える方が日本の未来にとっては良い結果を生み出すのではないでしょうか。
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