リニア中央新幹線開業予定はいつ? 東京名古屋ルートの詳細確認

社会問題(課題)

2027年の開業が予定されているリニア中央新幹線ですが、東京と大阪間を結ぶ前段階として、東京・名古屋間の開業が優先されています。

既に、国土交通省からの工事の認可はおりていて、リニア中央新幹線工事は着工済みです。(2014年10月17日)

はたして、どんなルートで東京と名古屋間が結ばれるのでしょうか? 

現時点でわかる範囲で、詳細を調べてみましょう。

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リニア・大阪開通予定前倒し

リニア中央新幹線の東京と名古屋間の開業は、2027年を予定していますが、名古屋から先の大阪までの開通は2045年と、まだまだ先の話しでした。

ところが、

【YOMIURI ONLINE 2016.5.27】
JR東海が、リニア中央新幹線の名古屋―大阪の開業目標を、2045年から前倒しする方針を固めたことが26日、分かった。

政府が低金利の長期貸し出しを検討しており、同社が資金調達に使う。 全面開業は最大8年早くなる見通しだ。

リニアは東京―名古屋間を着工済みで、27年開業を予定し、完成後は最速40分で結ぶ。 名古屋―大阪間は約8年後の35年頃に着工し、完成後は東京―大阪間を最速67分でつなぐ。

ニュースにあるように、JR東海では大阪までの開業を、少しでも前倒しで実現したいようです。

東京~大阪間67分

それはそうでしょう。

リニア中央新幹線が開業すれば、東京~大阪間が67分でつながります。

鉄道が飛行機並の時間で行き来できるようになれば、JR東海はリニア中央新幹線にたくさんのお客を引っ張ってくることも可能になります。

現在最速の新幹線のぞみでも、約2時間半(最速2時間22分)かかるので、リニア中央新幹線であれば、それが1時間15分以上も短縮されます。

JR東海や大阪経済界では、一日でも早い開業を願い、地元国会議員達に発破をかけているという感じかと思います。

リニア開通のための資金

問題は資金です。

今回、政府が低金利での融資を検討しているという話しですが、これはそのまま話が進むでしょう。

現在の政府は、思うように進まないアベノミクスに、何とか突破口を見いだしたいと思っているはずです。

国土強靭化計画や地方創生の観点からも、できれば早くJR東海がリニア中央新幹線を開業してくれることを望んでいるでしょう。

そういった意味では、JR東海と政府の思惑が一致しています。

とはいっても、リニア中央新幹線の大阪までの開業が2030年代半ばということは、あと20年くらいの時間を要するわけです。

ちなみに先ほどふれた国土強靭化計画とは、2014年6月に閣議決定されたものです。

これは法律に則って作成された計画で、法律名は『強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法』になります。

詳細は【国土強靭化とは?(内閣官房)】にありますので、ご関心ある方はどうぞ。

リニア中央新幹線ルート詳細(駅)

では次に2027年、東京~名古屋間の開業が予定されているリニア中央新幹線のルートについてみていきましょう。

東海道新幹線の路線と比較すると、だいぶ北側内陸部方面になることがわかります。

区間の駅と建設場所(駅名未定)は、品川駅を出発して、神奈川県の相模原市、山梨県の甲府市、長野県の飯田市、岐阜県の中津川市、愛知県の名古屋駅の合計6駅になります。

品川駅と名古屋駅では、既存の駅の地下に併設され、他の4つの駅は新設されることになります。

以下、4つの駅の住所詳細です。

○神奈川県(仮称)駅  神奈川県相模原市緑区橋本
○山梨県(仮称)駅   山梨県甲府市大津町字入田
○長野県(仮称)駅   長野県飯田市上郷飯沼
○岐阜県(仮称)駅   岐阜県中津川市千旦林字坂本

3つのルート候補

現在のルートが決まったのは、2011年5月でした。
当初、3ルートの候補地がありました。

中央新幹線小委員会の答申をうけて、Cの南アルプスルートに決定しましたが、普通に考えれば、「なぜそんな迂回するようなルート(AB)が候補になるの?」と思ってしまいます。

地形や地質調査に問題がなければ、「どう考えてもCルートが妥当でしょう」と。

よくあるパターンとして、有力な地元選出の国会議員のごり押しが考えられます。 ただ、ちょっと調べた限りでは、あまり名の知れた国会議員はいません。

まぁ、結果としてCの南アルプスルートに決まったので、その辺りはどうでもいいことではありますが。

先ほど、「地形や地質調査に問題がなければ」と書きましたが、南アルプスルートに対する批判もあるようです。 いくつか上げると、

○トンネルだらけのルート、残土をどうする
○自然破壊
○環境影響評価等の調査が不十分

といったところです。

 

リニアルートはほとんどトンネル?

たしかに、国土交通省の資料(工事実施計画の概要)を見てみると、線路延長が約285.6㎞に対して、トンネルの長さは246.6㎞で、実に約86%がトンネル内の走行になります。

リニア新幹線は何より速さが売りで、景色うんぬんという事ではないにしても、ちょっと意外でした。

考えてみれば飛行機でも、離着陸時の一定の低空飛行の時以外は、空と雲だけの景色です。

それに、たとえトンネル外といえども、走行時の騒音の環境基準をみたすために、コンクリート製の防音フードで覆う計画です。

走行しているリニア新幹線が見えるようにしてほしいという自治体の要望に対しては、防音フードなしの区間を19ヶ所設けるというニュースが、2014年12月の読売新聞に載ったようです。 (ネットでは削除されているニュースで確認できません)

フードを透明にできないかという要望には、「難しい課題であると認識しております」というJR東海の現在の見解です。 【「防音防災フードを透明にして」へのJR東海の回答

これは、この問題に限りませんが、批判や要求が出ることは大いに結構なことかと思います。

その批判や要求が妥当なものであれば、当事者が真摯に受け止め、改善していけば良いことです。

人間が行うことですので、完璧はありませんから。

リニア新幹線においては、より速く、より快適・安全に、そしてその勇姿が、子供達に夢や希望を与えるものになってほしいと思います。

何をするにおいても、メリットとデメリットは必ず発生します。

リニア新幹線の開通においても、デメリットを補って余りあるメリットの部分を広げていく努力が必要です。

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