立憲民主党の泉健太代表と党の重鎮である小沢一郎議員の間でバトルが発生しています。
先に発言したのは、小沢一郎議員です。
【日経新聞 2024.7/9】
日本経済新聞
立憲民主党の小沢一郎氏は9日、9月に任期が満了する泉健太代表の退陣を求めた。
「政権を取るために野党共闘しないといけない。
そういうことができる執行部に代えなければいけない」と述べた。
「泉氏でやったらまた沈没だ」とも強調した。
この発言を受けて泉健太代表も黙っていません。
【共同通信 2024.7/13】
共同通信
立憲民主党の泉健太代表は13日、自身に退陣を求めた同党の小沢一郎衆院議員に反論し、挙党一致を呼びかけた。
新潟県新発田市で記者団に「政権交代へ皆で力を合わせて向かっている最中だ。もめている暇はない」と語った。
自民党の岸田政権が末期症状にある中でも、野党第一党の立憲民主党に期待する国民の声はあまり多くありません。
「このままで良いのか」という声が立憲民主党の議員の中から出てくるのはいたって自然なことです。
泉健太代表と小沢一郎議員の関係性について確認してみましょう。
政局の小沢一郎
まず泉健太代表と小沢一郎議員の関係性という話の前に、小沢一郎議員がどういう国会議員なのかということを知っておかなければ話が進みません。
小沢一郎議員は、“政局第一” (政権闘争)の国会議員といっても間違いではないでしょう。
『剛腕』『政界の壊し屋』の異名を持っていることは国会議員で知らない人はまずいません。
ここでは本題からずれるので割愛しますが、自民党時代や新進党・自由党時代の小沢一郎議員の動向を確認してみればそれが理解できます。
もちろん小沢一郎議員にも人の好き嫌いはあるでしょうが、要するに「この人を党の顔にすれば党勢拡大につながる」という人物を後押しするという考えなのです。
それは2021年の立憲民主党の代表選挙の際、泉健太候補を小沢グループが支持したことからもわかります。
立憲民主党内のグループ
自民党に派閥が存在していたように、立憲民主党の中にも派閥に似たグループが存在しています。
2021年11月に行われた立憲民主党の代表選挙には、以下の4人が立候補しました。
そして各グループはそれぞれ関係性があり、考えの近い人物を支持しました。
小沢グループでは現在の代表である泉健太候補を支持したのです。
少し古い情報ですが現在の状況と大きな違いはないので、朝日新聞の記事をお借りして立憲民主党のグループ勢力を確認してみましょう。
朝日新聞の記事にあるように、一人が複数のグループに所属していることもあり、会の人数は大まかな数字です。
代表選挙での得票は以下のようになりました。(国会議員は一人が2ポイント)
泉健太と小沢一郎の関係性
1974年生まれの泉健太代表と1942年生まれの小沢一郎議員は、30歳以上の年の差があります。
また泉健太代表の今までの政治家としての経歴を見ても、小沢一郎議と特段深い関係があった様子も見られません。
泉健太代表が立憲民主党の代表選挙に勝った翌年、2022年7月に参議院選挙がおこなわれました。
その結果、立憲民主党は改選前から6議席を減らした上、比例代表では日本維新の会を100万票余り下回る結果となってしまいます。
泉健太代表が立憲民主党の代表に就任して1年も経っていない時のことです。
それに対して小沢一郎議員は、代表選後の執行部人事で関係が良好とはいえない泉代表の責任を追及すべく動きをみせました。
このことからわかるように、泉健太代表と小沢一郎議員の関係は、あくまで立憲民主党代表選挙を勝つためにお互いが利用し合った関係でしかないと思われます。
自民党同様、2014年秋には立憲民主党代表選挙がおこなわれます。
立憲民主党が今後、日本共産党との協力関係をこのまま継続していくのか、それとも政権担当可能な政党として一定の距離をとるのか、代表の決断力が問われます。
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