立憲民主党の再建は共産党との共闘解消が必須

政治・経済関連

2021年10月におこなわれた衆院選で、立憲民主党は議席数を110議席から96議席に減らしました。(109議席としている媒体もあり)

ほとんどの通信社や新聞社は、自民党が大幅に議席を減らし、その反対に立憲民主党が議席を伸ばすと予想していたのです。

しかし蓋を開けてみれば、立憲民主党が議席を14も減らすという選挙結果になりました。この立憲民主党の選挙結果は、共産党との共闘が影響したと考えるのが、妥当でしょう。

立憲民主党の新執行部には、共産党との共闘継続か、または白紙撤回かの判断が迫られます。

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共産党との共闘結果

今回の衆院選で枝野幸男代表率いる立憲民主党執行部は、共産党と共闘する方針を決断しました。

その決断を、立憲民主党の支持団体である連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長は、「連合が支援している立憲民主党と共産党との距離感が近くなっていることは非常に残念」「共産党の考え方は連合としては受け入れられない」と不快感を示していました。

連合といっても様々な労働組合の集合体ですから、各労働組合により共闘の受け止め方に温度差があり、どのような結果をもたらすか注目されました。


直近の国政選挙である2019年7月におこなわれた参院選の全国比例で、日本共産党は448万3411票を獲得しています。

この得票を、単純に衆院選の289小選挙区で割ると、1選挙区あたりおよそ1万5千票になります。

この共産党票に目が眩んでしまい、共産党との共闘に踏み切ったのが立憲民主党の選択でした。

しかし、立憲民主党支持票+共産党支持票は、単純な足し算ではなかったのです。

共産党と共闘することで、連合のように「それは受け入れられない」層が確実に存在し、立憲民主党票にマイナス結果をもたらしました。


立憲民主党が獲得した衆院選の96議席について、小選挙区と比例代表に分けてみてみます。

小選挙区では選挙前48議席でしたが、57議席に増やしています。その反面、比例代表では62議席から39議席に大幅に減らしています。

この小選挙区と比例代表の結果をどうみるかです。

果たして共産党との共闘は、立憲民主党にとって飛躍するためにいったん膝を曲げて沈み込んだ状態なのか、それとも、そのまま沈んでいく運命にあるのか。


   『共産党はなぜ嫌われるのか? 』

国民が望む野党勢力は?

日本の戦後において、健全な野党勢力が存在したのかという問題はさておき、国民は野党に何を望んでいるのでしょう。

与党が暴走しないように、野党は与党を監視する役割を担うことでしょうか。

それも一側面ではあるでしょうが、もっと根源的な願いは、与党が失政した場合、それに代わって政権を任せられる信頼できる政党であってほしいということです。

立憲民主党が、果たしてそのような政党になれるかという点が、問われています。

立憲民主党再建の第一歩

立憲民主党は、まさに今が正念場です。

新しい党首が誰になろうとも、いくつかの点を改善できない限り、立憲民主党が万年野党の位置を脱することはできないでしょう。

共産党との共闘解消

このまま日本共産党との共闘を継続していくのであれば、来年夏におこなわれる参院選で、立憲民主党の党勢は間違いなく縮小していくと予想できます。

なぜか?

日本共産党は、究極的には共産主義社会を目指す政党だからです。それを実現するためには、協力できる組織や利用できる人物とは、その過程において歩調を合わせます。

立憲民主党もこのまま関係を継続していけば、日本共産党の影響力なしには、選挙で勝てない(勝てないと思わされる)状況に追い込まれていきます。


国民の多くは、好んで自民党を支持し、投票しているわけではありません。

自民党に替わり得る政党がないので、やむなく自民党に投票する人が、一定数存在しているのです。

にもかかわらず野党第一党が共産党と手を組む選択をすれば、「そんな政党には政権を任せられない」と思われても仕方ありません。


    『ラサール石井は 「左派?」「共産党?」という疑問

外交安全保障政策の転換

政党によって、経済政策や社会保障政策に違いがあるのは、ある意味当然です。

しかし外交や安全保障政策において、あまりにも違いがあると、多くの国民は野党に政権を任せようとは思いません。

国民の生命と財産を外国の脅威から守ろうとする法律を決める際に、発展的な代案を示すのではなく、『戦争法案』というレッテル貼りをして、廃案に持ち込もうとするようでは責任政党とはいえません。

ちなみに立憲民主党が共闘した日本共産党は、憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)を目指し、日米安全保障条約を破棄することを、綱領に載せています。

実際、日本の近隣には、核を保有する独裁・恫喝国家の中国と北朝鮮が存在しているわけです。

それにもかかわらず、敵基地攻撃能力を含む防衛力強化を検討すること自体否定する政党や政治家には、政権は任せられません。

   『尖閣諸島問題の現状と中国の強引な主張』

的外れの政権批判脱却

野党が政権を批判するのは当然です。

ただし、それが真っ当な批判なのか、重箱の隅をつつくような批判なのかが問われます。

国民からの支持を得るために、時にはパフォーマンス的な言動も必要でしょう。大臣の不適格さを指摘することや法案審議の進め方に異議を唱えることは理解できます。

私自身、それなりの人生経験もありますので、世の中綺麗事だけで物事が進まないこともわかります。


しかし、“モリカケ” 問題と称して、森友学園や加計学園獣医学部の問題を、安倍元首相と関連付けて、延々と国会で取り上げていた立憲民主党の姿勢はいただけません。

端的に言ってしまえば、森友学園問題は、近畿財務局と籠池氏の契約問題のミスであり、加計学園問題は、文部科学行政に関する政治家と官僚と獣医学会の癒着問題です。

批判の矛先が間違っているので、結局根本的な解決には繋がりません。

「憲法改正議論をさせないために安倍首相批判をわざとやっている」と揶揄されても仕方ないでしょう。


以上の指摘した内容を一笑に付してしまうとすれば、立憲民主党は端から政権を取る気などないのでしょう。

とりあえず一定数の議席を確保して、政権の政策や法案に文句を言っていれば、溜飲を下げてくれる一定数の国民がいますし、『政治屋』として生きていけるからです。


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