久しぶりに元TOKIOの山口達也さんの記事を目にしました。
酒に酔い未成年にわいせつ行為をしたことが発覚して、所属事務所との契約が解除されたのは2018年のことです。
おこなった行為は許されるものではありませんが、現在、第二の人生を山口達也さんはどのように過ごされているのでしょうか。
【読売新聞 2024.8/25】
福岡市の3児死亡飲酒運転事故から25日で18年となる中、飲酒運転事故を起こした加害者らがアルコールの危険性を訴える活動が広がっている。
アルコール問題に取り組むNPO法人が認定した「飲酒運転防止インストラクター」で、人気アイドルグループ「TOKIO」元メンバーの山口達也さん(52)もその一人。
自身の体験と悔悟の念を打ち明けながら、飲酒に関する正しい知識を伝えている。
現在の山口達也
山口達也さんは現在、『株式会社山口達也』の代表取締役を務めています。
『株式会社山口達也』は、2023年3月に設立されました。
会社設立
会社設立の目的は明確です。
山口達也さん自身がアルコール依存症と診断されたことで、二度と同じ過ちを繰り返さないよう、そしてその経験を多くの人に伝えて、依存症の当事者はもちろん、特に依存症者の周りで苦しんでいる人達の助けになれればという思いからです。
『株式会社山口達也』を立ち上げた後、最初のXでのポストが以下です。
さすが元TOKIOのメンバーです。インプレッションは1000万をはるかに超えています。
『株式会社山口達也』で行う事業は以下の内容です。
- 各種依存症者向け講演活動
- 企業向け各種危機管理セミナー
- SDGs活動のアドバイザー
- その他
講演活動
冒頭の読売新聞の記事で紹介されているように、山口達也さんは会社設立後に、飲酒によるトラブル回避のための講演を全国各地でおこなっています。
知名度と人気には陰りが見えない山口達也さん、しかも自分自身の負の体験を交えながら講演するわけなので、全国から引く手あまたといった感じです。
最近のオンライン講演では彰栄リハビリテーション専門学校で「アルコール依存症からの復帰と作業療法支援」をテーマに話をされています。
また金岡中央病院の依頼では「アルコール依存症ってなぁ〜に?」をテーマに講演しています。
堺市立勤労者総合福祉センターのホールは400席で、ほぼ満員の観客が山口達也さんの講演に耳を傾けました。
他にも「飲酒運転撲滅」や「ゼロからの再出発」などをテーマにして、多い月では講演を6回もおこなっています。
2024年9月には大分県豊後高田市で『人生をあきらめない』をテーマに講演しています。
苦しんだアルコール依存症
身近な親族や友人にアルコール依存症の人がいないと、それがどれだけ大変な状態なのかわかりません。
アルコール依存症の原因は、決して意志の弱さや特定の性格傾向が原因ではありません。
原因は飲酒したこと、すなわち、長期間にわたってエチルアルコールという依存性薬物を過剰に摂取してきたことです。
長期間過剰な摂取を続けるとアルコールが常に体内に存在することが正常な状態と認識され、神経系の神経細胞の性質が変化していきます。【Medical Note 松本俊彦】
『神経系の神経細胞の性質が変化』してしまうということです。
こうなってしまうと、もう自分自身でどうにかできる状態ではなくなってしまいます。
山口達也さんがホームページの冒頭で以下のように書いています。
「私がこの度患っている『アルコール依存症』は完治しないと医師に宣告されました。この病気と一生付き合って行こうと決めました。この病気を克服する方法はただ一つ、『アルコールを一生一口も飲まない』事です」
アルコール依存症を一人で克服していくことは不可能に近いのかもしれません。
医者からの指導はもちろん、親族や信頼できる友人のサポートが必須です。
最初の始まりは、 “不安” によりアルコールに頼ってしまったと山口達也さんは言います。
20代の頃はお酒を利用して楽しく騒ぐという飲み方だったのが、40代に頃になると不安を取り除くためにお酒を飲むようになっていきました。
周りの芸能人と自分を比較し、「あの人の方が話が面白いんじゃないか、自分は何か足りない、今日も失敗した」と落ち込むことも多かったようです。
そしてお決まりのように、気を失うほど酒を飲み、酔うことで現実を逃避していきます。
仕事では多忙を極め、睡眠時間も2~3時間という状態で、薬(睡眠導入剤)を酒で流し込む生活が続きました。
そういった状態の中で山口達也さんは2018年、未成年への強制わいせつ事件を起こしてしまいました。
アルコールのせいだけにはできないのかもしれませんが、酔うことで正常な思考ができなくなっていたことは確実です。
正にどん底に落ちてしまった山口達也さんですが、その事件発覚から2年間はお酒をやめられていました。
それがちょっとしたことから、一口飲んでしまったお酒によって渇望現象がおこり、一気に1.5リットルの酒を飲んでしまいました。
正にこれが、医者が言うところの「アルコール依存症は完治しない」の所以です。
その後の記憶はなく勢いでバイクに乗り、酒気帯び運転によるバイク事故を起こしてしまいます。2020年のことでした。
山口達也さんはバイク事故の後、アルコール依存症の治療を受け、現在も断酒を続けています。
飲酒運転防止インストラクター
山口達也さんは2022年に『飲酒運転防止インストラクター』の資格を取得しました。
その後も、『依存症予防教育アドバイザー』や『メンタル心理カウンセラー資格』などの資格も取得しています。
『飲酒運転防止インストラクター』は特定非営利活動法人ASKが認定する民間の資格です。
ASKは1983年に、アルコール問題の早期発見と予防を目指すアルコール問題全国市民協会としてスタートし、2000年にNPO法人となった組織です。
現在は社会のニーズに応えて、薬物・ギャンブル・ゲーム依存などに対象を広げながら活動しています。
確認してきたように、山口達也さんは会社を設立し様々な資格を取得して現在、人生の再出発を果たしています。
本人が自覚しているようにアルコール依存症との戦いは続きますが、新たな目標に向かってキャラクターを生かし頑張ってほしいと思います。
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