自民党総裁選挙の話題がニュースで取り上げられことが多くなっています。
麻生派以外の派閥は解散したとはいえ、実際は今回の総裁選も派閥の力学が働いていることは間違いありません。
派閥の締め付けが多少緩くなったので、派閥内で対立関係にあるグループが共に行動している色合いが強いと解説する評論家やジャーナリストもいます。
今までの大臣としての実績から考えると、ちょっと不安しか感じられない小泉進次郎議員が、「次の総裁にふさわしい人」のトップになったという世論調査もあります。
【テレ東BIZ 2024.8/22】
事実上、国のトップを決める自民党の総裁選。
テレビ東京と日本経済新聞社が実施した8月の世論調査で「次の総裁にふさわしい人」で小泉進次郎元環境大臣がトップになりました。
次の自民党総裁に誰がふさわしいか聞いたところ小泉氏が23%でトップとなり、石破茂元幹事長が18%、高市早苗経済安全保障担当大臣が11%と続きました。
菅前首相の後押しを受けている小泉進次郎議員と自民党の重鎮である麻生太郎議員との関係性が気になったので、確認してみました。
派閥からみた関係性
小泉進次郎議員はどこの派閥にも属していません。
小泉純一郎元首相の息子でイケメンという立場上、かえって派閥に属してしまう方が色がついてしまいマイナスであると考えたのかもしれません。
初当選が2009年で、自民党が衆院選で大敗し野党に下野した年でしたので、派閥に所属するうま味が薄い時だったのが影響した可能性もあります。
父親である小泉純一郎氏は、清和会(旧安倍派)に所属していました。
また麻生太郎議員は現在、志公会(麻生派)の会長です。
志公会は宏池会(すでに解散)の流れをくむ派閥になります。
旧派閥関係からは、小泉進次郎議員と麻生太郎議員の間に利害関係は一切ありません。
選挙区でもそれぞれ神奈川県と福岡県なので、選挙での協力関係もありません。
進次郎結婚の報に際して
2019年に小泉進次郎議員が、フリーアナウンサーでタレントの滝川クリステル氏と結婚しました。
この時、財務大臣兼副総理だった麻生太郎議員は首相官邸で記者からの問いに「誰としたの?」と聞いてきたといいます。
それくらいの関係性ともいえます。
ただし安倍晋三首相(当時)と菅義偉官房長官(当時)に結婚を官邸で報告した際も、なぜ面会希望のアポイントを取ってきたのか二人ともわからなかったという事なので、この件に関して小泉進次郎議員は秘密裏に動いていたようです。
小泉進次郎と菅前首相
小泉進次郎議員と菅前首相の選挙区は共に神奈川選挙区で、それぞれ11区(横須賀市・三浦市)と2区(横浜市南区・西区など)です。
神奈川県には他にも河野太郎議員や甘利明議員などの顔の売れた実力者がいます。
神奈川県内の自民勢力は、菅グループと麻生派でほぼ二分しているといっても良いです。
麻生派には甘利明議員がいます。
小泉進次郎議員は現在、自民党神奈川県連会長を務めていて中立的な立場を取りたい所でしょうが、今回の総裁選で菅グループに軸足を置くことを決断したようです。
総裁選出馬を決意したのは、菅前首相の後押し無くして考えらません。
【毎日新聞 2024.8/22】
自民党の菅義偉前首相は党総裁選(9月12日告示27日投開票)で、小泉進次郎元環境相を支援する意向を固めた。
関係者によると菅氏は22日「進次郎に決めたから、よろしく頼む」と周囲に電話で伝えた。
菅義偉と麻生太郎
安倍政権時に菅前首相は官房長官であり、麻生太郎議員は財務大臣として安倍首相(当時)を両サイドから支える存在でした。
しかしこれが成り立っていたのは安倍首相が存在していたからです。
菅前首相と麻生太郎議員は生まれも政治家としての経歴も真逆の存在です。
かたや “地方議員からの叩き上げ” で、もう一方は “政界のサラブレット” です。
“サラブレット” という点では安倍元首相も同じですが、やはり馬が合う合わないがあるのでしょう。
今回の衆院選でも、菅前首相と麻生太郎議員は対立関係を維持していくでしょう。
麻生太郎議員はまだ明確に誰かの支持を表明してはいませんが、腹心ともいえる甘利明議員が小林鷹之議員を背後から支援しているのは間違いありません。
“若手色” を前面に出して総裁選を戦おうと、小泉進次郎議員や小林鷹之議員を総裁候補として立ててきた自民党。
その背後には、神奈川県選挙区で対立関係にある菅グループと麻生派の勢力争いが展開しているとも言えます。
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