2022年9月11日の沖縄県知事選で、自民党推薦の佐喜眞淳候補に6万5千票差をつけ、玉城デニー知事が再選されました。
米軍基地問題や経済・貧困問題をかかえた沖縄県政、課題は山積しています。
特に玉城デニー知事に対して取沙汰されているのが、中国との関係です。
地政学的に中国の存在を蔑ろできないのは理解できますが、時には “中国の犬” と検索されるほど、玉城デニー知事の言動は批判されることがあります。
今回は玉城デニー沖縄県知事の任期や、知事就任後の中国に対す言動について確認してみます。
玉城デニー知事の任期
玉城デニー知事の任期は、いつまででしょうか。
都道府県知事の任期は4年です。
玉城デニー知事が沖縄県知事に再選し就任したのが2022年9月30日ですので、2026年9月29日までが、玉城デニー知事の任期になります。
玉城知事の初当選
前沖縄県知事の翁長雄志氏が、県知事任期満了を待たずに病に倒れたのが、2018年8月8日のことです。
膵臓に腫瘍が見つかってから、あっという間の出来事でした。
享年67歳でした。
この逝去をうけ、翁長氏の後継者として、当時国会議員だった玉城デニー氏が名乗りをあげました。
自民党からは佐喜眞淳氏が出馬して選挙を戦いますが、玉城候補396,632票に対して佐喜眞候補316,458票、約8万票の差をつけられて敗北しました。
選挙で勝利した玉城デニー氏が知事に初就任したのは2018年10月4日でした。
就任挨拶で反基地宣言
沖縄県知事に就任した玉城知事は、就任挨拶で次のように語りました。
「自立型経済の確立、そして沖縄らしい優しい社会を構築するためには、何よりも、沖縄が平和で、安心安全に暮らせる社会を実現することが求められます。
そのためには、沖縄の米軍基地の整理縮小が急務であり、ましてや新たな米軍基地の建設は到底容認できるものではありません。」「政府は、今もなお、普天間か辺野古かと、県民同士に負担を付け替えて、新たな犠牲を押しつけようとしています。
心ない分断を乗り越えるため、翁長前知事の遺志を引き継ぎ、今こそ県民が心を一つにして、誇りある豊かな沖縄を実現していく必要があります。」「私は、政府に対し、対話によって解決策を導く民主主義の姿勢を求め、普天間飛行場の一日も早い閉鎖と返還、そして、辺野古新基地建設の阻止に向けて、全身全霊で取り組んでまいりたいと考えております。」
普天間飛行場の役割を辺野古基地へ移転させることに反対する立場で出馬し当選したのですから、当然といえは当然の挨拶ではあります。
しかしこれは玉城デ二―知事に限ったことではありませんが、在日米軍の基地縮小を望むのであれば、自衛隊の規模拡大や装備の充実を並行して訴えなければ、空想的平和主義者と言われても仕方ありません。
現在も覇権主義の独裁国家・中国が、尖閣諸島や沖縄本島まで触手をのばしてくる状態にあるわけですから。
中国への忖度発言
2019年にはこんな発言がありました。
【産経新聞 2019.5.31】
同県石垣市の市議が乗船した漁船が5月24日に尖閣諸島周辺海域を航行した際、中国公船に追い回されたことについて、玉城氏は「中国公船が(尖閣諸島の)周辺海域をパトロールしていることもあるので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と述べた。
“尖閣諸島周辺の中国パトロールを故意に刺激しない” という発言には、首長としての責任のかけらもなく、驚きを通り越して怒りさえ感じます。
ところが、半月後にはこの発言を撤回することになります。
【産経新聞 2019.6.17】
沖縄県の玉城デニー知事は17日、尖閣諸島の周辺海域で航行する中国公船を刺激しないよう求めた発言を撤回した。石垣市議会が同日、発言撤回を求める決議を可決したことを受け、県庁で記者団に「私の発言は尖閣諸島周辺海域が日本の領海ではないとの誤解を与えかねないことから、撤回させていただきたい」と述べた。
この発言から感じるように、ちょっと玉城デニー知事の言動には軽さがあります。
それとも、“宗主国は中国” という考えが本人の中にあるのでしょうか。
安倍首相との会談
安倍政権時に首相と対談した玉城デニー知事は、こんな無理筋の提案を行いました。
【毎日新聞 2019.3.1】
沖縄県の玉城デニー知事は1日、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡る県民投票で反対が多数を占めたことを通知した。玉城氏は「辺野古移設断念を求める民意が初めて明確にされたことは極めて重要な意義がある」と述べ、移設断念を要求。日米両政府と県の3者で協議する場を設けるよう提案した。
安倍首相は3者協議の提案には回答しなかったと記事は続いています。
当たり前です。
国のトップ同士の会談に、一地方自治体の首長が加わって何の話をするのでしょうか。
米国のトランプ大統領からは「国内で意見をまとめてから、出直してこい」と言われるのがおちです。
こんな常識的なことを玉城知事がわからないはずはありません。このような発言は、完全な県民向けのパフォーマンスです。
中国との関係は?
玉城デ二―知事は、中国に対してはどのようなスタンスをとっているのでしょうか。
【琉球新報 2019.4.27】
玉城デニー知事は26日の定例記者会見で、河野洋平元外相が会長を務める日本国際貿易促進協会の訪中団の一員として16~19日に訪中した際、面談した胡春華副首相に対し「中国政府の提唱する広域経済圏構想『一帯一路』に関する日本の出入り口として沖縄を活用してほしい」と提案したことを明らかにした。
胡副首相は「沖縄を活用することに賛同する」と述べたという。
琉球新報の記事によれば、中国の副首相に対して玉城知事は「沖縄を活用してほしい」と懇願したといいます。
一帯一路構想は中国の覇権拡大のための施策であり、『中国版植民地主義』とも言われています。
中国からの巨額融資を受け、その後借金返済が滞ったスリランカは、自国のハンバントタ港を99年間、中国に貸し出すことになってしまいました。
まさに、中国の『債権の罠』にはまってしまったのです。
沖縄県を中国の冊封体制に組み込みたいと、玉城知事は本気で思っているのかもしれません。
玉城知事がまだ国会議員だった時の2018年5月に、国会で安倍首相への質疑をおこないました。
その際、質問の締めくくりに、以下の発言をしています。
「最後に総理に要望を申しつけたい(原文ママ)と思います。沖縄を『一国二制度』にして関税をゼロにし、消費税をゼロにする。そのぐらい大胆な沖縄の将来を見越したそういう提案もぜひ行っていただきたい」
この玉城議員(当時)の発言『一国二制度』に対しては、多くの批判がありました。
この発言の真意を問われた玉城知事は、インタビューでこう答えています。
【BuzzFeed News 2019.5.12】
「日本から離れたいというわけではまったくありません。沖縄県はアジアに開かれている地理的優位性がある。特別州のように、一国二制度的に財源や権限が付与されて、自立経済に向けた自立型の発想ができれば、投資やヒト、モノの入り口として、日本を牽引する形で優位性を発揮できると思っているのです」「日本がアジアに進出していく基盤を、沖縄につくっていけるかもしれません。沖縄がどうアジアや世界に手を伸ばして、日本にとって役立っていけるのかを考えているんです。そのために、沖縄の力、ポテンシャルを発揮する環境を整えていただきたい」
玉城知事にその自覚があるかないかは別として、中国にとってこれほど恰好な獲物はありません。
沖縄県が日本国に属しながら独自の制度で、中国を手招きしてくれるのですから。
この考えを推進していけば、たぶん沖縄県はあっという間に中国の経済圏に取り込まれていくでしょう。
そして中国は沖縄経済界を牛耳り、更に自分達にとって都合のよい制度や政治改革を行わせていくであろうことは、火を見るよりも明らかです。
こうして玉城デニー知事の発言を確認してみると、言葉の選択の良し悪しは別として、“中国の犬” と揶揄されても仕方がない気がします。
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