犯人を匿う(かくまう)とどんな罪に問われるのか?

匿う・怯える女性 法律・行政関連

実刑判決をうけ、仮釈放中に逃走していた男が、逮捕されたという報道が、以前されていました。

男が逃走した近隣の小中学校では、休校などの措置が取られていたので、被害はありませんでしたが、迷惑な話ではあります。

【時事通信 2019.6.23】
窃盗などの罪で実刑判決が確定した無職小林誠容疑者(43)が収容に応じず逃走した事件で、神奈川県警が23日朝、横須賀市森崎のアパートで小林容疑者を発見、身柄を確保し、横浜地検が公務執行妨害容疑で逮捕した。県警は小林容疑者をかくまったとして、知人で同アパートに住む自称建築業幸地大輔容疑者(38)を犯人蔵匿容疑で逮捕した。

一人で逃げ切れるはずもありません。

今回の逃走で、人へ危害を加えなかったことが、この容疑者にとっては、せめてもの救いです。


それにしても、容疑者をかくまった男は、犯罪者をかくまうことが罪だとは思わなかったのでしょうか?

友人としてやむにやまれずアパートに招き入れ、自首などの説得をおこなっていたのでしょうか。

この際ですから、犯人をかくまうと、どんな罪に問われるのか調べてみます。

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刑法103条

法律の一つに、刑法がある事は誰でも知っていることと思います。

その刑法の第103条を見ると、

≪犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪≫
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
とあります。

刑法

『蔵匿』とは、見つからないように隠すことであり、『隠避』とは、隠れ場所を提供する以外の方法で、犯人や逃走者の発見または逮捕を妨げることをいいます。

たぶん後追い記事は出ないかもしれませんが、かくまったとされる幸地大輔容疑者には、どんな罪が言い渡されるのでしょうか。

   『保釈金はいつ戻ってくるのでしょうか?』

犯人を匿って実刑?

失礼しました。

後追い記事が出ていました。

【時事通信 2020.1.7】
傷害罪などで実刑確定後、逃走した無職小林誠被告(43)=公判中=をかくまったなどとして、犯人蔵匿や覚せい剤取締法違反などの罪に問われた建築業、幸地大輔被告(39)に対し、横浜地裁の野村充裁判官は7日、懲役3年とした上で、このうち6月の執行を保護観察付きで2年間猶予する判決(求刑懲役4年)を言い渡した。

野村裁判官は、小林被告をかくまい捜査を妨げたと指摘。覚せい剤の常習性が認められるとする一方、幸地被告が更生意欲を示し、薬物乱用からの回復支援者も協力を誓っていることを踏まえ、「社会内処遇との連携で実効的な更生を図る」と述べた。

この記事の判決は、2年6ヵ月服役した後、執行猶予期間2年を保護観察付きで生活するという内容です。

ただしこの被告人の場合、薬物使用の罪でも問われていますので、純粋に犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪だけで、有罪判決がでたわけではありません。

薬物使用に関しても、初犯でない可能性もあります。(記事だけではわかりません)


犯人蔵匿に対する判例を確認してみましたが、すぐに見つけられませんでした。


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