世界で徴兵制のある国は? 日本が徴兵制をとる可能性はあるか

法律・行政関連

以前、集団的自衛権の議論の中で、「“ 徴兵制 ” が復活するのではないか?」という事が言われていました。

徴兵制というのは、国家が国民に対して、一定期間の兵役を義務として課す制度です。

当時、民主党(現在の立憲民主党や国民民主党メンバー)は、こんなパンフレットを作りました。

どういう理屈でそういう事が言われているのでしょうか。

日本国憲法 第18条に、 犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない 

とあります。

通常、徴兵 = “ 苦役 ”と考えられているようですが、徴兵制を苦役でないと憲法解釈すれば、今後、徴兵制を導入しても憲法違反にならない可能性もでてきます。

だから、憲法解釈で集団的自衛権を認めることは、後々その徴兵制をも解釈次第で認めることになってしまうと、言いたいようです。

Sponsored Link

徴兵制のある国

徴兵制というと日本では昔のイメージがありますが、世界の国々では、徴兵制を導入している国も多くみられます。

身近なところでは、お隣の韓国です。

ニュースでは時々、韓流スターが兵役のため、芸能活動を休止するという話題が上がることがあります。

韓国の男性は、19歳までに徴兵検査を受け、30歳の誕生日を迎える前までに、入隊しなければなりません。兵役服務期間は約2年(服務場所によっては約3年)です。

☆韓国の事情については、『韓国はなぜ徴兵制をとるのか?

大国では、ロシアが徴兵制をとっています。服務機関は12ヶ月で、国民男子18~27歳に徴兵義務があります。

その他にも、ブラジル・メキシコ・コロンビア・フィンランド・オーストリア・ギリシャ・イラン・トルコ・タイ・ベトナム・他、アルジェリアなどのアフリカ諸国が、現在も徴兵制です。(wikipedia・徴兵制度の世界地図より参照)

ただ、その徴兵制も国によって兵役免除の基準や兵役期間が異なります。

タイでは入隊の際、陸軍・海軍・空軍・徴兵免除の4つからくじ引きで決めます。特例もあるのでしょうが、徴兵人数によって必要絶対数が決まってくるわけですから、平等といえば平等です。

ちょっと古い映像ですが、日本のメディアが放映した番組があります。

昔の徴兵制

日本では、明治6年に徴兵令が公布され、昭和2年(1927年)に兵役法に改称・改正されました。

“ 召集令状 ”にはいくつか種類があり、戦争時のドラマや映画にでてくる“ 赤紙 ”として有名な召集令状は、臨時召集という区分の令状です。

兵役法には、召集に応じなかった場合の罰則がありました。

第六章 罰則 第七十四条 (口語訳)

兵役を免れるために逃亡、行方不明、身体損傷、故意の疾病その他偽りの行為をした者は三年以下の懲役に処する。

1945年の敗戦後、兵役法は11月に廃止され現在に至り、日本では徴兵制は取られていません。

徴兵制は非現実的か

当時の民主党がいうように、今後日本で、徴兵制がとられる可能性はあるのでしょうか?

現在の日本では、徴兵制が導入される可能性は少ないと考えられます。 

理由は主に二点で、まず一点目は、現在の国民の意識がそれを許さないという点です。

憲法改正や集団的自衛権の法律問題で、賛成・反対とこれだけ国論が二分されたのが日本の現状です。

もし徴兵制が議論となれば、圧倒的に反対意見が多数を占めることが予想できます。

それをごり押ししたら政権が持ちませんし、一人一人の国会議員が有権者を無視してまで、その法律案に賛成するとは考えにくいです。

もう一点は、以前の戦争と違い専門職化がすすんだ現在の軍隊に、ある意味数だけの召集された兵士が必要とされなくなっているという点です。

現にヨーロッパ諸国では、1990年代から徴兵制を廃止する国が出てきていますし、ロシアや台湾でも志願兵制への移行が検討されているようです。

ただ、人類の歴史が争いの歴史であったという側面はありますので、未来のことに確証はありませんが。

徴兵制を復活させた国(追記)

最近ヨーロッパの国で、徴兵制を復活させた国があります。

北欧の国、スウェーデンです。

【朝日新聞 DIGITAL 2017.3.3】
スウェーデンのフルトクビスト国防相は2日、7年前に廃止した同国の徴兵制を2018年1月から復活させる方針を明らかにした。 兵士に志願する若者が減るなか、近隣の軍事大国であるロシアの武力外交をにらみ軍事力を強化する。

スウェーデンでは、2010年7月に徴兵制が廃止されました。

ではなぜ、徴兵制を復活させるのか?

それは記事内にあるように、ロシアの軍事的脅威に対抗するためです。直接的な要因は、2014年にロシアがウクライナのクリミアを併合したことによります。

伝統的に中立政策をとってきたスウェーデンは、NATO(北大西洋条約機構)に加盟していません。軍事大国ロシアに対しては、基本的に自国で相対するしかないのです。

結果として、スウェーデンは徴兵制の復活に踏み切りました。

新たな徴兵制は、18歳の男女を対象にして、毎年少なくとも4千人を徴集する方針ということです。(2022年9月現在、スウェーデンのNATO加盟手続きが進み、早ければ2022年内に正式加盟とも言われている)

またフランスでは、マクロン大統領が徴兵制復活を宣言しています。

【産経新聞 2018.2.2】
フランスのマクロン大統領は1月19日、南仏トゥーロンの海軍基地で軍幹部向け「徴兵制を復活させる」と宣言した。 イスラム過激派テロの脅威増大で、国防を強化するためだ。

マクロン大統領は、2017年に行われた大統領選挙の際に、徴兵制の復活を公約に入れていました。

2015年にテロが相次いだフランスでは国防意識が高まっている状況で、昨年夏の世論調査でも過半数以上が徴兵制の復活を支持しています。(2018年、批判や反対が多いため徴兵制ではなく公共奉仕活動の義務化に変更)


【関連記事】⇒『韓国はなぜ徴兵制度をとるのか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました