岸田首相が8月14日、次の自民党総裁選に出馬しないことを記者会見で述べられました。
これを受け、現在の岸田内閣閣僚をはじめ自民党執行部のメンバーが、次々に総裁選立候補の意欲を表明しています。
メディア報道によると、その数は11人。
常連組、女性初候補、若手組、地味だけれど堅実派(?)など様々です。
メンバーはこちらの面々です。
このメンバーを見て日頃から政治に関心を持ってウォッチしている人であれば、「あれっ、一人抜けてない?」と感じる人もいるかと思います。
その一人というのは、青山繁晴参議院議員です。
青山繫晴総裁選出馬表明
なぜなら、青山繁晴議員は岸田首相が総裁選不出馬を明言するだいぶ以前から、「自民党総裁選に出馬する」と書籍やブログ、動画でも発信していたからです。
例えばこちらのショート動画がアップさたのは、2023年11月17日です。
「野望ではなく、こうしなければならないから決心した」と語っています。
更にそれ以前、11月10日(金)のネット番組『帰ってきた虎ノ門ニュース』で、自民党総裁選出馬の考えがないかキャスターから聞かれた青山繫晴議員は、「出ます。」と明言していました。
青山繫晴議員は閣僚経験や自民党の要職に就いた経験はありませんが、2019年自民党内に『日本の尊厳と国益を護る会』を立ち上げその代表に就任し、現時点で会員数は100人にまでなっています。
会員はすべて現職の自民党国会議員です。
『日本の尊厳と国益を護る会』の主張は明確で、以下の3点に賛同する国会議員が集結しています。
- 万世一系の天皇陛下のご存在を護るため皇位継承を正しく安定させる
- 中韓による国土の浸食を阻み回復する
- 主要国にあって日本にだけ欠けているスパイ防止法を制定する
安倍政権時から菅政権・岸田政権下で度々の提言を行い、自民党内で相当の影響力を持っている議員集団です。
メディアが上げた11人全員が、現時点で総裁選出馬に必要な推薦人20人を集められているわけではありません。
たぶんこの中には、20人の推薦人を集めることができずに総裁選立候補ができないメンバーもいるでしょう。
だとすれば、推薦人を集めれるか集められないかに関わらず、青山繫晴議員をこの11人から外す理由がないのです。
そこには政界を取り巻く “深い闇” があるとしか考えられません。
報道しない理由
この期に及んで、なぜマスメディアでは青山繫晴議員の名前や写真を取り上げないのでしょうか。
それはある意味明確で、既存の体制や仕組みを変えたくない人達とマスメディアの利害が一致しているからです。共闘関係にあると言っていいでしょう。
それは、次の三つが主要な理由です。
戦後レジームチェンジの回避
どこまでやる気と実行できたかは議論の余地がありますが、亡くなられた安倍元首相は “戦後レジームからの脱却” を目標の一つにしていました。
強大な壁に挑み、時には跳ね返され、または妥協せざるを得ない時もあったでしょう。
レジームとは『体制』の意味です。
日本は敗戦後、6年8ヶ月に渡ってGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の統治下にありました。
その間、国の根幹である日本国憲法が作られました。
また戦前の事はすべて “悪” と啓蒙教育され、あらゆる社会の仕組みがGHQ主導で改変させられたのです。
20万人を超える人達が公職を追放され、その穴埋めに入ってきた人の多くが共産主義者でした。
これらの施策を日本のためと捉えるのは、あまりにもナイーブな話しです。
そうすることがGHQすなわち米国にとって最も都合が良かったから、そのような日本統治が行なわれたのです。
青山繁晴議員も戦後レジームからの脱却という観点で、安倍元首相と志は一緒です。
しかし70年以上続いた体制を変える事は、その体制の基で利益を独占してきた人にとっては必要のない事であり、そんな試みをする人物は邪魔な存在でしかありません。
そういう人物にどう対するかのマスメディアの答えは、“完全無視” が最善なのです。
中国への忖度
日本の貿易額の輸出入のいずれも第一位は中国で、全体の20%を超えています。
日中貿易のことを考え、日中間に軋轢を生まないようにしてほしいと願う財界人は多く存在します。
そしてそれは政治家への圧力になります。
日中友好議連の現在の会長は親中派で有名な二階俊博議員で、前任者は林芳正議員でした。
第二次安倍政権が誕生した時、当時の経団連会長は安倍さんに向かって「あなたは第一次安倍政権の時のように中国に厳しいことを言っちゃダメだ。二度とああいうことを言わないと、中国の言うことを聞くというのが再登板後の安倍政権の支持の条件なんだ」と言ったといいます。
この発言は『言論テレビ』の櫻井よしこ氏と青山繫晴議員が対談した時のものです。
自民党派閥の政治資金パーティーの裏金が問題視されましたが、それ以上に問題なのはパーティ券を誰が買っているのかという点です。
【夕刊フジ 2023.12/25】
『日中友好侵略史』(産経新聞出版)を上梓し、外国勢力の国政への浸透工作問題に迫った門田氏は次のように指摘する。
「私は昨年5月に都内で開かれた岸田派(宏池会)の政治資金パーティー『宏池会と語る会』に出席した中国人から直接話を聞いた。多くの中国人や中国系の関連団体が出席し、20~30人のグループなど、中国人の参加者は会場のあちこちにみられたという。彼らは政治家とのつながりを深めるなど、特定の目的を持って券を購入していた。パーティー券を大量に購入してもらうことは〝借り〟をつくることだ」
中国人や中国系企業が何十枚もパーティー券を買うのがどういうことを意味するのか、中学生でもわかります。
外国人からの寄付は禁じていながら、『外国人のパーティー券購入OK』は悪い冗談にしか聞こえません。こんなことが通用しているのが政界なのですから呆れてしまいます。
ネット上には、宏池会のパーティー動画も上げられています。
まさに中国とズブズブの関係です。
この問題にもメスを入れようとしているのが青山繫晴議員ですから、財界からも政界からも煙たがられ排除される存在であることが理解できます。
財界はマスメディアにとって “スポンサー様様” ですから、その関係性を考えればこれ以上説明する必要はないでしょう。
財務省御用達機関として
青山繁晴議員は現在の日本経済が抱える問題点解決するために、まず消費税減税を断行する必要があると以前から発信していました。
これは財務省が最も嫌う政策の一つです。
彼らは「10%まで上げた消費税を “安定財源” としてもっと上げたい」と本気で画策しています。
その手助けをしているのがマスメディアです。
新聞・通信社やテレビ局の記者が常駐する記者クラブ『財政研究会』は、財務省に牛耳られていると言っても言い過ぎではありません。
『財政研究会』は財務官僚からのレクチャーを垂れ流すだけの存在になっています。
財務省が嫌う政策を推進する国会議員は、マスメディアとして出来る限り報道しないという姿勢を通したいのでしょう。
推薦人20人の壁
青山繁晴議員は果たして自民党総裁選に必要な推薦人20人を集めることができるのでしょうか。
「100人の議員集団の代表なら20人位集めるのはわけないだろう」と思う人がいるかもしれません。
しかし『日本の尊厳と国益を護る会』はあくまで3つの政策実現のために集った国会議員達です。
それぞれの議員は旧来の派閥の枠組に属していますので、派閥の重鎮からの指示があればそれに逆らうことはできません。
現に青山繁晴議員の推薦人になろうとしていた若手の自民党国会議員が、あらゆる手を使って次々に引き剥がされています。
最後まで派閥からの圧力に屈せず推薦人になる議員が果たしてどれくらいいるのか、立候補受付の当日になるまで誰もわからないのです。
推薦人が一人でも欠けて、青山繫晴議員が自民党総裁選に立候補できなければ、旧来の政治家や財界人、財務官僚やマスメディアの勝ちです。
立候補後の現象
仮に青山繁晴議員が推薦人20人を集められたとしましょう。
だからと言って、それで青山繁晴議員が自民党総裁選に勝利できるかといえば、そんな簡単な話しではありません。
あくまで推薦人20人を集めることは、総裁選のスタートラインに立つことを許されたに過ぎません。
既得権益側は絶対に青山繁晴議員が総裁にならないよう、スクラムを組んで対抗してくるでしょう。
ただしこの時点で、青山繫晴議員はマスメディアが無視することができない存在になることは確かで、 マスメディアの “報道しない自由” は行使できなくなるのです。
国会議員になる前はテレビ出演などして関西圏を中心にそれなりに名前が知られていた青山繁晴議員ですが、全国的に言えばそこまでの知名度はまだありません。
また3年連続で自民党党員獲得数1位の青山繁晴議員でも、獲得党員数は全体の自民党党員の一握りに過ぎません。
正直なところ、総裁選で勝利することは難しいのではないかと思います。
しかし総裁選での青山繫晴議員の言動が、政界に一石を投じることになり、国会議員のそれぞれの良心が啓発されることは間違いありません。
そしてそこから、今までの政界の常識では考えられない何かが始まる、そんなことを期待したいと思います。
8/23記者会見(追記)
青山繁晴議員が8月23日に「自民党総裁選に別の選択肢があることをお話しするための会見」を開きました。
なぜそのような主旨の会見かというと、自民党総裁選出馬の表明はすでに昨年の11月10日に行っているからです。マスメディアが報道しないだけです。
その内容は以下の1時間ほどの動画で説明されています。
“報道しない自由” を行使していたNHKでも流石に19時からのニュースでは報道していました。
しかし会見後も多くのマスメディアが、青山繫晴議員があたかも存在しないかのような自民党総裁選報道を続けています。
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