早田ひなはなぜ知覧の特攻資料館に行きたいと言ったのか

スポーツ

パリオリンピックの卓球で女子シングル銅メダル、女子団体で銀メダルを獲得した早田ひな選手。

利き腕の左手を負傷し苦しみながらも戦い抜いたその姿に、多くの人が感動を受けました。

その早田ひな選手の帰国後の記者会見発言が話題になっています。

「行きたい所としては、一つはアンパンマンミュージアムにポーチを作りに行きたいと思っているのと、後は鹿児島の特攻資料館に行って、生きている事をそして自分が卓球がこうやって当たり前にできていることが当たり前じゃないっていうことを感じたいなと思って行ってみたいと思います」

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特攻資料館とは

鹿児島の特攻資料館とは、鹿児島県南九州市にある『知覧特攻平和会館』のことです。

第二次世界大戦の際、日本軍は起死回生の戦法として神風特別攻撃隊を編成しました。

“特攻” とは、敵の艦船に戦闘機で体当たり攻撃をしかける戦法です。

現代の感覚からすると無謀な作戦に感じられますし、この作戦により多くの若き尊い生命が失われました。

しかし特攻隊隊員のみならず当時の先人の戦いと犠牲により、現代の日本が存在しています。

早田ひな選手もそのことに思いをはせて「特攻資料館に行きたい」と答えたのでしょう。

きっかけは趣味の映画鑑賞か

ではオリンピックから帰国後の記者会見で、早田ひな選手はなぜ特攻の話をしたのでしょうか。

早田ひな選手が語ったように動機は「生きている事、卓球を当たり前にできる事が当たり前じゃないことを感じたい」からです。

その動機が生まれたのは、なぜなのでしょう。

何かのきっかけが必ずあったはずです。

詳細は早田ひな選手の口から語られていませんが、私が予想するに映画の影響が大きかったのではないかと思われます。


早田ひな選手は以前、卓球専門WEBメディアRallys(ラリーズ)のインタビューで、こんなことを話していました。

「映画がけっこう好きで、ひとりで大号泣しています。恋愛系も好きですが、家族のことやみんなで頑張る映画を見ることが多いです。「リメンバー・ミー」やチアダン(「チア男子!!」)が好き。リメンバー・ミーは家族を大事にする話。チアダンは団結感やチーム力に憧れます」Rallys

この発言から推測すると、早田ひな選手は2023年12月に公開された映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』を鑑賞したのではないでしょうか。

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、SNSを中心に「とにかく泣ける」と話題になり、累計発行部数100万部を突破した汐見夏衛氏によるベストセラー小説です。

映画の内容は、現代の女子高生が1945年6月の日本にタイムスリップし、そこで特攻隊員の青年と出会い恋に落ちるファンタジーロマンスです。主演の女子高生役は福原遥、特攻隊員役は水上恒司が演じています。


私の勝手な予想ではありますが、可能性はそれなりにあるのではないかと思います。

また、これは雑誌『FLASH』に書いてある内容ですが、女子スポーツ選手は特攻資料館を結構訪れているということです。

「早田選手の発言が意外に受け止められていますが、これまでも、女子スポーツ選手は訪れています。女子バレーの日本代表も、眞鍋政義監督の『オリンピックで日の丸を背負う覚悟を感じてほしい』という思いから、訪れています」FLASH

2022年4月30日に配信された「文春オンライン」で、眞鍋監督は《家族に思いを募らせながらも、国を守るため、空に散ったいたいけな少年たちの史実に、選手らは改めて気がついた。自分たちが好きなバレーが出来る環境は、こんなにも悲しい犠牲の下に成り立っているんだと》と語り、《あれから選手たちの目つきが変わりましたからね。日の丸の重みの意味を肌で感じてくれたんだと思います》と振り返っていた。FLASH

知覧以外の資料館

早田ひな発言を受けて「私も特攻資料館に行ってみたい」と思う人もいるかもしれません。

同時に「でも鹿児島県南九州市は遠すぎる」と思うでしょう。

そんな人は、まずは東京都内の靖国神社内にある『遊就館』を訪れてみてはいかがでしょう。

特攻に特化した資料館ではありませんが、特攻隊員の遺影や遺書等も展示されています。

早田ひな発言の影響

早田ひな選手の記者会見での「鹿児島の特攻資料館に行きたい」発言に、中国から非難の声があがっているそうです。

【テレ朝news 2024.8/17】
早田選手の中国版SNS・微博(ウェイボー)には、非難の声が殺到したのです。
微博のコメントから
「日本は中国に何をしたのか、真実としっかり向き合うべきだ」
「発言を撤回してほしい。あなたのファンをがっかりさせないで」
さらに中国メディアによりますと、早田選手にウェイボーのアカウント開設を勧めたという男子シングルス金メダルの樊振東選手や女子団体金メダルの孫穎莎選手が、早田選手のフォローを外したといいます。

中国に何を言っても無駄なのかもしれませんが、早田ひな選手発言の真意がまったく伝わっていません。

早田ひな選手は、「平和や自由を享受できる今の環境に感謝し、それは先人の犠牲の上にあることを心に刻みたい」という思いからこの発言をしたのです。

戦前の同世代の特攻隊員のことをもっと知りたいという純粋な気持ちの表れです。

国内では早田ひな選手の発言に好意的な意見が多いようです。




早田ひな選手が『知覧特攻平和会館』を訪れ、更に心技体を高めて活躍してくれることを期待しましょう。

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