自転車に乗り始めるのは、何歳くらいからでしょうか?
先日近くの公園で、3歳くらいの男の子がペダルを取り外した自転車に乗って、緩やかな坂道をバランス良く降りていきました。
今は小学生になる前に、ほとんどの子供が、自転車に乗れるようになっていますね。
それだけ手軽に乗れる自転車ですが、道路交通法上では、あくまで軽車両であることを忘れてはなりません。
以下、自転車と歩行者の接触事故で、死者がでています。
【NHK NEWS WEB 2019.12.11】
11日朝、東京・文京区の歩道で自転車が歩行者と衝突し、はずみで自転車に乗っていた60代くらいの女性が転倒して死亡しました。警視庁によりますと、女性は衝突のはずみで転倒して近くに設置されていたガードパイプで胸を強く打ち、病院で手当てを受けましたが、およそ1時間後に死亡しました。中学生に、けがはありませんでした。
現場の歩道の幅はおよそ2.6メートルで、歩道を走っていた自転車が、右側の細い路地から出てきた中学生と衝突したということです。
NHK NEWS WEB
事故の詳細はわかりませんが、歩道での事故ですから、過失責任は軽車両である自転車にあります。
接触事故があったのは、2.6mの比較的広い歩道です。
自転車が、車道側を走行していれば、右の路地から歩行者が出てきても、スピードを出し過ぎていないかぎり、衝突することはあまりないでしょう。
亡くなられた女性の自転車は、歩道の右側を走行していたか、もしくはよれなりのスピードを出していた可能性が考えられます。
一つの事例だけを上げて、不安をあおるようなことはしたくありませんが、自転車は老若男女問わず使用する身近な乗り物ですので、しっかりルールを守って安全走行を心がけたいものです。
自転車右側走行が可能だった時
私が自転車の走り方で、今一番気になるのが『右側走行』です。
大人子供を問わず、違反者がとにかく多いと感じます。 たぶん法律を知らずに、走っているのではないでしょうか。
たしか数年前までは、自転車の右側走行も道路交通法で例外が、認められていました。
白線が引いてある路側帯内であれば、右側走行がOKだったのです。
道路交通法改定で右側走行禁止
平成25年(2013年)に道路交通法の改定がおこなわれ、その年の12月1日から、自転車の右側走行が禁止となりました。
今まで認められていた右側走行(路側帯内)が廃止され、完全な法律違反になりました。
罰則は、“ 3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金 ”です。
もう6年以上経ち、道路交通法が改正されたにもかかわらず、相変わらず右側走行をしている人が多いのは、なぜなのでしょうか。
車の運転をしない大人や子供達にとって、自転車の道路上のルールは、歩行時の感覚と同じものとして、軽くとらえているのかもしれません。
警察にはもっと徹底したキャンペーンをして、自転車左側走行の徹底をお知らせしてほしいです。
あとは家庭・学校での教育、自転車販売店や駐輪場での告知等、広める方法はたくさんありますので。
自転車事故の傾向
自転車による事故は、年間でどれくらい起きているのでしょうか。
軽症も含めれば相当数になるかと思いますので、今回は死亡・重傷事故件数で確認してみます。
以下の円グラフは、平成26年から平成30年の5年間の合計件数です。
圧倒的に、対自動車事故が多いですが、自転車単独+自転車相互+対歩行者の合計でみると、7018件の死亡・重傷事故が起きています。
平均すると、年間で約1400件の死亡・重傷事故件数です。
自動車や二輪車との事故では多くの場合、自転車サイドが被害者になるケースが多いかと思いますが、それ以外の場合は、加害者になる可能性も高くなります。
そういったこともあって、2015年10月には兵庫県で『自転車保険』の義務化がなされ、全国の地方自治体に広がりをみせています。
2020年4月1日からは、東京都でも自転車保険の義務化(罰則なし)がおこなわれます。
自転車対歩行者の事故で一番多いのは、歩道での事故であり、およそ4割近くをしめます。
繰り返しになりますが、自転車は軽車両です。
事故を起こした場合、子供だからと言って、責任を免れることはできません。
右側走行に限らず、交通ルールを守って、安心安全に自転車に乗りましょう。
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