ラサール石井は 「左派?」「共産党?」という疑問 彼はどこを目指そうとしているのか

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自民党政権の政策に対する批判が話題になると、Yahoo!ニュース欄でラサール石井のポスト(旧ツイート)がよく取り上げられています。

若い世代にとって、最初は正直なところ「ラサール石井って誰?」という感覚だったかと思います。


近頃は、芸能人のX(旧ツイッター)やインスタグラムの写真ネタを話題にして、安易にネットニュースに流す風潮があります。

政治分野で、その対象になっている芸能人の一人が、ラサール石井といっていいでしょう。

ラサール石井は昔から政権批判を度々していて、近頃たまたま取り上げられるようになったのでしょうか。

それともちょっと発言したらネットニュースが取り上げてくれたので、それに味を占めて何度も発言するようになったのでしょうか。

ネット上ではその過激な発言から「ラサール石井はいつからおかしくなったのか?」との疑問も発せられています。


はたして、ラサール石井はどこを目指そうとしているのでしょうか。

本人に直接聞くことはできませんので、インターネット上で確認できる客観的な事実を調べてみたいと思います。

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平成時代のラサール石井

ラサール石井は、3人組のコント赤信号のメンバーとして、芸能界デビューしました。1980年代、昭和の時代です。

生年月日は1955年10月19日で、現在68歳になります。

平成の頃にはピン芸人としての活動が主流となって、学歴(ラ・サール高校卒)を生かしクイズ番組で活躍しました。

ラ・サール高校といえば、鹿児島県にある私立の中高一貫校で、現在も兵庫県の灘高校に次ぐ偏差値78の進学校として有名です。


1996年には、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公・両津勘吉の声優役に抜擢されました。

俳優として舞台にも力を入れ、脚本・演出もこなして、幅広い才能を発揮しています。

『М-1グランプリ』審査員も過去において6回も務めていますので、芸能界においてはそれなりのポジションを確立しているといっていいと思います。

そんなラサール石井が、なぜ最近、政権批判を繰り返すようになったのでしょう。私が知らないだけで、以前からも同様の発言をしていたのでしょうか。

民主党政権時のラサール石井

ラサール石井は、安倍政権から続く自民党政権だから、批判的なツイートをしているのでしょうか。

それとも、2009年9月から始まった民主党政権の時にも、是々非々で発信をしていたのでしょうか。


ラサール石井の2010年前後の過去の発言については、見つけることができませんでした。

ただ、民主党の危機対応を安倍政権と比較した、こんなポストがありました。


私が調べた限りでは、どうやらラサール石井の政権批判は、自民党政権だからおこなっているようです。

お笑いタレントのぜんじろう氏が、こんなポストをしています。


政治信条において安倍政権(当時)を受け入れることができないという理由から、現在も継続して自民党政権批判を繰り返しているとみられます。

ラサール石井は共産党員?

自民党政権を批判するのは、ラサール石井が特に保守の政治家と対極に位置する左派もしくは、共産党員だからなのでしょうか。

インターネット上に、ラサール石井が共産党員であるという記述は見つけられません。

しかし、2003年のイラク戦争の時に、立ち上げられた「イラク攻撃と有事法制に反対する演劇人の会」の呼びかけ人の中に、ラサール石井の名前があります。

この名簿は、日本共産党のHPに堂々と載っています。


2010年に亡くなった井上ひさし(小説家・放送作家)もこの中に名前がありますが、ラサール石井は井上ひさしについて「学生時代からファン」「ファン歴40年以上」と話しています。

井上ひさしといえば、本人が共産党員だったかはわかりませんが、不破哲三日本共産党委員長(当時)との対談本を出したり、『九条の会』の呼びかけ人になったり、左翼思想の人として有名です。

井上ひさしファンだったラサール石井は、考え方や思想面での影響も井上ひさしから多大に受けていたことが垣間見えます。

こんなポストもしています。


2007年には、「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」という朗読劇に、平幹二朗や草笛光子と一緒に、出演しています。

これについても、日本共産党の機関紙しんぶん赤旗で紹介されています。
 『非戦を選ぶ演劇人の会 朗読劇で訴え

もうだいぶ以前からラサール石井は、共産党的な立ち位置で、自民党政権に相対していたことがわかります。


マスメディアにとっては、そこそこ有名な芸能人がイメージを気にせず政権批判してくれれば、ニュースにしやすいのでラサール石井は有難い存在でしょう。

その芸能人が好感度を落とそうが、自分達とは関係ないことですから。

  『共産党はなぜ嫌われる?

手塚治虫への憧れ

ラサール石井と巽尚之の共著で『人生で大切なことは手塚治虫が教えてくれた』という本があります。

そこにはラサール石井が子供の頃から、漫画を通して手塚治虫に憧れていたことが書かれています。

中学生の時には「手塚治虫みたいな人になりたい」という熱い思いに変わっていったといいます。

手塚治虫といえば、漫画の神様として『鉄腕アトム』や『火の鳥』、『ブラックジャック』などの作品が有名です。

手塚治虫は1928年生まれで、日本が真珠湾攻撃をした1941年は、中学校に入学した年でした。

戦争時のつらい体験を漫画に反映させた手塚作品も多数あります。

ラサール石井は、この本の中で、手塚治虫の作品についてこう書いています。

あらゆる手塚治虫作品の根底にあるテーマ『同じ人間同士、あるいは同じ生き物同士、なぜ憎み合い、いがみ合わなければならないのか、どうして共存して生きていけないのか』という問いかけは、やはりこうした戦争体験、そして敗戦体験から生まれたのだ。

『鉄腕アトム』の中でも繰り返し、文明の発達に伴い奢り昂る人間が、自ら作ったその武器や原水爆によって滅びていくという悲劇を描いている。

人間が自然を破壊し冒涜することで、自然からしっぺ返しを喰らう、これは手塚作品に一貫して見られるテーマである。しかしまた、文明や科学の発達を称賛し、自ら輝ける未来予想図を表現し続けてきたのも手塚治虫である。

まさに、手塚治虫に憧れるラサール石井も同様の思いがあり、自民党政権のやり方に否定的な発言を続けているのでしょう。


ラサール石井が描く理想の社会は、戦争のない平和な世界です。

でもそれは、世の中の一握りの人達を除いて誰もが思うことです。

文明や科学の発達のもと、皆が共存共栄していくためにどうすべきか、その方法論の違いから憎み合いやいがみ合いが起こっているのが現実です。

そしてラサール石井の発信の仕方が、憎み合いやいがみ合いを生み出していることに、本人は気づいていないのかもしれません。

ラサール石井は決して近年 “おかしくなった” のではなく、手塚治虫からの影響や井上ひさしなどの考えに触発されながら現在に至っていることがわかりました。

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ラサール石井はどこを目指す

ラサール石井が当時の安倍政権を批判するようになって、メディアやネットニュースで頻繁に取り上げられるようになったのは事実です。

この行為は諸刃の剣であり、反対の立場の人達から強い反発や攻撃を受けることになります。

先ほど『平成時代のラサール石井』の見出しのところで確認したように、ラサール石井は芸能界では、それなりのポジションを獲得しています。

過激な物言いで、更に目立つ必要はないのではないかと、他人ながら勝手に思ってしまいます。


しかし今まで見てきたように、ラサール石井は明確な考えのもとに、安倍政権(当時)を批判していたことがわかります。

日本国憲法9条を改正しようとしていた安倍政権が許せなかったのです。

それを阻止するために、今後もラサール石井はあらゆる機会を利用してポストし続けるでしょう。


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