韓国では日本の旭日旗に対して、言いががりとも言える異常反応が定着しています。
韓国併合の歴史が『怨み』と化している韓国人には、真実の追及など関係なく、慰安婦・徴用工に続いて旭日旗がやり玉に上がっているといえます。
まさに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という状態です。
今回は、韓国が旭日旗に対しなぜ「ダメ」と拒絶反応を示すのか、いつからこのような状況になったのかを確認してみたいと思います。
旭日旗とは
まず旭日旗について確認してみましょう。
旭日旗は、海上・陸上自衛隊で使用されている自衛隊旗です。
太陽と太陽光を図案化した旭日旗は、戦前の大日本帝国軍が使用していたもので、現在の自衛隊が継承している旗です。
日本の神々の最高位に位置し太陽を司る天照大神を彷彿させる図柄は美しく、戦前の軍人や自衛隊隊員にとって、旭日旗は “誇らしく士気高揚させる” 存在であると想像できます。
韓国の異常反応いつから
1945年8月の敗戦で、それまで日本の一部だった朝鮮半島や台湾は、その後独自の歴史を歩むことになります。
終戦前まで朝鮮半島出身者や台湾の人達は、一部を除いて連合国と共に戦った同じ日本国民であり、敗戦という苦汁を舐めた同志だった側面があります。
もちろん、日本統治を良しとせず “民族独立” を主張していた一部の朝鮮人も存在していました。
しかし敗戦の直後、朝鮮人の多くは自分達は敗戦国民ではなく、日本内部で連合国と一緒に戦ってきた戦勝国民であるという態度をしめします。
では韓国では、戦後一貫して旭日旗に対して嫌悪感をもち、日本に対して旭日旗の使用をやめるように、主張してきたのでしょうか?
そのような事実を、見つけることはできませんでした。
だとすれば韓国は、いつから何をきっかけとして、旭日旗への批判を展開するようになったのでしょう。
かならず、その発端になった出来事があるはずです。
サッカーアジアカップ準決勝
旭日旗への批判は、2011年のサッカーアジアカップがきっかけとなったというのが、現在の定説になっています。
アジアカップ開催国カタールにおいて、準決勝で日韓戦がおこなわれました。
試合は延長までもつれ、延長でも2対2で決着がつかず、最後はPK戦で日本が韓国を下した試合でした。
その試合の前半、韓国の奇誠庸選手がPKで先制のゴールを決めます。
その直後に奇誠庸選手がおこなったのが、猿まねの行為です。
近年韓国で “猿まね” は、日本人を侮辱するときに、多用されることが増えているそうです。
この行為に対して批判が集まると、奇誠庸選手は以下のように釈明しました。(日本語版のためか翻訳に難あり)
【中央日報日本語版 2011.1.26】
奇誠庸が‘猿セレモニー’について釈明するコメントを載せた。
奇誠庸は26日、自分のツイッターに、「観客席にある旭日旗を見た胸は涙が出た」と書かれている記事を載せた後、「弁解か…私は選手である前に大韓民国の国民」と書いた。う回的(?)に‘猿セレモニー’をした理由を明らかにしたのだ。旭日旗を見て怒りを抑えられなかったと解釈できる。旭日旗は日本帝国時代に使われた日本の軍旗で、現在は自衛艦旗だ。日本軍国主義の象徴だ。
記事をみてわかるように、奇誠庸選手は “猿のまね→日本人” ということを認めています。
その上で観客席の旭日旗を見て怒り、日本人を侮辱するために猿まねをしたと弁明したのです。
そしてそれを紹介する記事では、“旭日旗=日本軍国主義の象徴だ” という完全な決め付けをおこなっています。
拒絶反応の理由
韓国にとって日本はあくまで “弟の国” なのです。
小中華主義の韓国は、“劣っていた” 日本に先進的な文化を伝えてきたという自負があります。
その劣った日本に併合され、国という形がなくなった事は、韓国にとって屈辱以外の何ものでもありません。
人は感情的になると、知性で理解していてもその感情が勝り、思わぬ態度に出てしまうことがあります。
たぶん韓国は日本に対して、恒常的にその状態が続いているのでしょう。
また韓国社会の同調圧力により、戦前の日本の統治を少しでも肯定しようものなら、社会的制裁を受けることになります。
一般の韓国人は、この旭日旗問題にさほど関心がないのかもしれません。
しかしメディアから「旭日旗をどう思うか?」と問われれば、「日本軍国主義の象徴だ」と回答するのが、韓国人にとっての “正解” なのです。
奇誠庸選手の言い訳から始まったことをきっかけに、太陽と太陽光が描かれた絵やデザインに対して、韓国の常軌を逸したクレームが世界中で展開されるようになっていきました。
世界中に難癖
先ほど確認したように、2011年以降、韓国の旭日旗に対する批判が止まりません。
いくつかの事例を確認してみます。
旭日旗はオリンピック憲章違反
2012年のロンドンオリンピックサッカー3位決定戦は、日韓戦でした。
事件は試合終了後におこりました。
韓国代表選手の朴鍾佑選手が、「独島はわれわれの領土」と書かれたプラカードを掲げるという、暴挙にでたのです。
五輪施設や会場などにおける政治的な宣伝活動は、オリンピック憲章で禁じられています。
オリンピック憲章
61.宣伝と広告オリンピック・エリアにおいては、いかなる種類のデモンストレーションも、いかなる種類の政治的、宗教的もしくは人種的な宣伝活動は認められない。
この朴選手の事件を受けて、韓国内では論理を飛躍させ、旭日旗を問題視させる活動が展開されました。
【中央日報日本語版 2012.8.12】
五輪男子サッカー韓日戦勝利の主役の朴鍾佑が「独島(日本名・竹島)セレモニー」により表彰式に参加できなくなるとネットユーザーらが日本の「旭日旗」の使用を問題にしてIOCなどに正式に抗議する姿勢を見せている。
ネットユーザーらは朴鍾佑の表彰式不参加のニュースが伝えられると足早に動き始めた。12日に各種オンラインコミュニティの掲示板には「西洋人は知っているのか、知らないふりをしているのか」「旭日旗への抗議メッセージ送付」などの掲示物が続々と上げられている。
これらの掲示物は、日本が第2次世界大戦当時に使った旭日旗が五輪競技場に登場した写真とともに説明が加えられた。書き込みした人は、「旭日旗は第2次世界大戦時の日本の国家主義とナチズムを象徴する。人種差別主義と帝国主義の象徴である旭日旗の使用をIOCが認めるのは受け入れられない」と説明した。
あるネットユーザーは「旭日旗は欧州の国が競技する時にナチスのマークを持って振るのと変わらない行為」とし、また別のネットユーザーも「欧州でナチスを象徴する旗を掲げ応援するのは想像もできないこと」と主張した。
このように一つの党旗と一国の軍旗を同じ土俵の上で論じるメチャクチャな論理で、旭日旗をやり玉に上げていきます。
人種差別主義うんぬんという点においては、まったく事実に反する内容でもあります。
戦前、世界でおこなわれている人種差別に対して問題提起したのは日本であり、それに反対したのが米国でした。
人種的差別撤廃提案(Wikipedia)
第一次世界大戦後のパリ講和会議の国際連盟委員会において、大日本帝国が主張した、人種差別の撤廃を明記するべきという提案を指す。
この提案に当時のアメリカ合衆国大統領だったウッドロウ・ウィルソンは反対で事が重要なだけに全員一致で無ければ可決されないと言って否決した。国際会議において人種差別撤廃を明確に主張した国は日本が世界で最初である。
ペンシルベニア大学のステンドグラス
2014年、米国ペンシルベニア大学の食堂のステンドグラスが、韓国人学生によってフェイスブックに投稿されました。
それがこちらです。
その後、その学生は韓国系学生会幹部らと一緒に、副学長ら大学側と面談までし、問題のステンドグラス撤去を申し入れます。
これに対して学園側は、
「指摘されたステンドグラスにある旗は1928年に設置されたもので、当時、キリスト教学生協会が世界中に宣教活動を広げたことを示すシンボルの一つである。取り付けられたすべてのステンドグラスにはそれなりの目的があった。」
と一蹴しています。
FIFAの日本特集
同じ2014年に、FIFA(国際サッカー連盟)の機関誌の表紙に使ったイラストが、韓国によって問題にされました。
日本人サッカー選手4人が描かれた背後の旭日を問題視したのです。
当時海外で活躍していた日本の本田圭佑選手、香川真司選手、吉田麻也選手、川島永嗣選手をモデルとしたものでした。
韓国メディアの異常な反応に対して、FIFAは「公式な苦情はないが、もし感情を害した人がいるなら謝罪する」として、すぐに同誌のデザインを変更してしまいました。
米国ハリウッドの伝説的女優の壁画
韓国は、芸術作品にまでケチをつけています。
太陽光が描かれている物へは、手当たり次第に抗議するという呆れたおこないです。
完全に “パブロフの犬” 状態です。
【AFP 2018.12.14】
米カリフォルニア州ロサンゼルスのロバート・F・ケネディ・コミュニティー・スクールの外壁に描かれたハリウッドの伝説的女優エヴァ・ガードナーさんの壁画が、旭日旗に類似しているとの地元韓国系米国人たちの団体の抗議により消去されることになった。
香川真司の活躍
期限付き移籍で、トルコのサッカーチーム・ベシクタシュにやってきた日本の香川真司選手。
2019年2月の試合に途中出場して、2ゴールをあげてチームの勝利に貢献しました。
その香川真司選手を歓迎し、ベシクタシュがクラブ公式ツイッターに画像をアップしました。
これです。
そして案の定、韓国のユーザーから苦情が寄せられ、クラブはあっさりを画像(旭日箇所)を削除してしまいました。
2024年パリ五輪
現在も世界中の “旭日旗模様” に目を光らせている韓国は、パリオリンピックでも執念を見せています。
【産経新聞 2024.8/1】
南太平洋のタヒチを会場に7月27日から行われているパリ五輪のサーフィンで、韓国のテレビ局MBC放送が、オーストラリアの男子選手が「旭日旗」柄のサーフボードの使用を検討したとして、この選手に使用するかどうかをただした上で、韓国のオリンピック委員会を兼ねる大韓体育会を通じて豪州側に抗議したと報じた。
選手側は撤回を表明し、五輪に向けて準備したサーフボードを使用する機会が奪われた形となった。
抗議を受けたのは、オーストラリアのジャック・ロビンソン選手です。
自身が尊敬するサーフィン界の伝説的選手アンディ・アイアンズへの思いを表現したデザインが、この旭日旗だったようです。
韓国の不当な圧力に屈してしまったことは残念ですが、ジャック・ロビンソン選手はパリオリンピックで見事に銀メダルを獲得しています。
海上自衛隊の怒り
2018年10月に韓国済州島で、国際観艦式がおこなわれました。
文在寅政権下(当時)での国際観艦式で、異常な要求が出されます。
それは参加する国は、艦艇上に自国国旗と韓国国旗だけを掲げるようにという内容でした。
これはまさに、旭日旗を海上自衛隊に掲げさせないためにとった文在寅政権の嫌がらせです。
当時の防衛省制服組トップの河野克俊統合幕僚長は記者会見で、「降ろしていくということは絶対ない。自衛艦旗は法律上、規則上掲揚することになっている」と韓国側の要請を拒否しました。
最終的な結果として、済州島での国際観艦式に海上自衛隊は参加しませんでした。これが当時の安倍政権が韓国に示した意思です。
慰安婦、徴用工、そして旭日旗
当事国でない国の人にとって、嘘の歴史の話しを何十回も聞かされていれば、それが事実なのかと思ってしまいます。
韓国以外の国でも慰安婦像が建てられていますが、これなどは正に典型的な事例といえます。
慰安婦像の碑文には『sexual slavery(性奴隷)』や『MORE THAN 200,000 WOMEN AND GIRLS WHO WERE ABDUCTED(20万人以上の女性を強制連行)』という捏造の文字が書かれています。
それを見た人達はあたかもそれを事実として、『日本の蛮行』に眉をひそめるでしょう。
旭日旗についても同様です。
現に、ロバートF.ケネディコミュニティスクールのように、正論で突っ張ねるよりも、「ギャアギャア騒いで面倒だから、とっとと差し替えてしまえ」という組織がでてきています。
国家として海上自衛隊の旗(旭日旗)にまで難癖をつけてくるにいたっては、我慢の限界です。
この旭日旗問題で外務省は、以下の見解をHPに載せています。
「旭日旗の意匠は日章旗同様、太陽をかたどっており、大漁旗や出産・節句の祝い旗等、日本国内で現在までも広く使用されているものであり、特定の政治的・差別的主張である等の指摘は当たらない。
政府として、韓国を含め国際社会に向けて、旭日旗の掲示が政治的宣伝にならないという考えを累次の機会に説明しており、今後ともそうした説明を継続していきたいと考えている。」
また、日本語はもちろん、英語・ドイツ語・フランス語などの動画(約2分)を作成して、旭日旗の意味を発信しています。
ただ、HPに載せることは、最低限におこなうべき対応でしかありません。
こと韓国との問題に関しては、ここまで韓国の主張が悪質であり日本を貶める内容である以上、政府が主導して韓国への抗議はもちろん、国際舞台では韓国への反論を必須として、世界に日本の主張をはっきりと伝えるべきです。
更には各国の日本大使館や領事館の外交官が、その国における慰安婦像設置や旭日旗へのクレームに対して、しっかりと目を光らせ早めに対応することが肝要です。
追記・旭日旗容認
政権が文在寅から尹(ユン)政権に代わり、さすがにこれはやり過ぎたという事で、海上自衛隊に対する態度が改善されました。
【産経新聞 2023.5.25】
韓国国防省は25日、今月末に南部済州島沖の公海上で実施される多国間訓練に際し、海上自衛隊の護衛艦が自衛艦旗である旭日旗を掲げ韓国国内に入港することについて「国際慣例に従う」として容認する姿勢を示した。
【関連記事】⇒『慰安婦像がウィーン条約違反といわれる理由』
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