社会党時代を知る人にとって、今の社民党はどのように映っているのでしょうか。
【共同通信 2020.2.22】
社民党は22日、東京都内で党大会を開いた。又市征治党首(75)の任期満了に伴う党首選が公示され、福島瑞穂副党首(64)が無投票で新党首に選出された。党内には立憲民主党との合流を巡って賛否両論があり、党内対立の表面化を避けるため、福島氏に一本化した形だ。
日本社会党から社会民主党に党名を変更したのが、1996年のことです。
すでに四半世紀が経っています。
1950年代後半、社会党時代には、250議席をこえる衆参国会議員が在籍していましたが、今やはるか昔の話です。
直近の国政選挙で、社民党は比例票でどれくらいの票を、獲得したのでしょうか?
第25回参院選での社民党
2019年7月におこなわれた第25回参議院議員選挙で、社民党は比例代表で1,046,011票を獲得しました。
これは、当時の新興勢力である『れいわ新選組』の2,280,252票の半分にも満たず、NHKから国民を守る党の987,885票を辛うじて上回る数字でした。
それでもこの比例代表獲得票で、かろうじて1議席を得、吉田忠智議員が3年ぶりに国政に復帰しました。
社民党議席数
社民党の現在の国会議員は、福島みずほ参議院議員(比例)、吉田忠智参議院議員(比例)、照屋寛徳衆議院議員(沖縄2区)、吉川はじめ衆議院議員(大分2区)の合計4名です。 ※2020.8月現在
<追記2021.10.20>
社民党の現在の国会議員は、福島みずほ議員1名です。
吉田忠智議員と吉川はじめ氏は、社民党を離党し立憲民主党に入党してしまいました。
照屋寛徳氏は政界を引退し、後継者は新垣邦男氏(社民党)で、現在は衆院選を戦っています。
<追記2022.8.14>
第26回参議院議員通常選挙(2022.7.10投開票)で、福島みずほ議員が比例代表で当選しました。
社民党比例代表獲得票数は1,258,501票でした。
この時点での社民党国会議員は、福島みずほ議員と新垣邦男議員の2名で変化なしです。
<追記2024.10.16>
2023年4月に、新たな社民党国会議員が一名増えました。参議院議員の大椿裕子議員です。
これで現在の社民党国会議員数は3名となります。(2024.10.16現在)
国会議員数が増えたのは決して党勢が拡大したからではありません。
理由は以下の通りです。
【産経新聞 2023.4.6】
参院選比例代表の選挙会は6日、立憲民主党の吉田忠智氏が参院議員を辞職したのに伴う欠員補充のため、令和元年参院選の社民党の比例名簿に基づき、大椿裕子副党首の繰り上げ当選を決めた。
7日の官報に告示後、当選の効力が発生する。
吉田氏は、参院大分選挙区補欠選挙への立候補のため議員辞職した。
元年参院選で社民の比例代表として当選し、その後、立民へ移った。
吉田氏に次ぐ2位と3位の候補者は社民の比例名簿から削除されており、4位だった大椿氏が繰り上がった。
<追記2024.10.28>
2024年10月27日投開票の衆院選が終わりました。
社民党が獲得した議席は小選挙区の1議席のみで、沖縄2区の新垣邦男議員が再選をはたしました。
この結果、社民党の国会議員数に変わりはなく、3人の国会議員(福島みずほ議員・新垣邦男議員・大椿裕子議員)が在籍していることになります。
また、社民党が2024年衆院選の比例11ブロックの合計で獲得した票数は934,598票で、とうとう100万票を割ってしまいました。
社民党の今後
社民党の地方議員の数は、総務省の発表によると、都道府県議会議員8名、市区町村議会議員86名で(2023年12月31日現在)、合計94名です。
2022年末時点での地方議員数の合計が164名だったので、年々選挙を行うたびに議席数が激減しています。
今後、社民党はどうなっていくのでしょう。立憲民主党に吸収合併されてしまうのでしょうか。
共同通信の記事の続きです。
執行部は当初、党大会で(立憲民主党との)合流の是非を決める方針だったが、地方から「拙速だ」などの異論が出て判断を先送りした。党大会では合流に関し「全党のさらなる積極的な議論をお願いする」との議案を提起した。
たぶん “「拙速だ」などの異論” を出したのは、社会党時代にバリバリの市民運動をしていたような相当の高齢者でしょう。
社民党がいつまでその名前で政党が存在するかわかりませんが、あと数年後には、社民党は他の野党に吸収されていく運命をたどると思います。
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