ブルーインパルスのパイロットに女性はいるのか?

戦闘機パイロット 世間の話題・雑記

ブルーインパルスのパイロットが、ブルーのつなぎに、サングラスをかけ、颯爽と歩く姿は、男性から見ても格好良く、ちょっと古いギャグですが、「惚れてまうやろ」という感じです。

それはまさに、男の世界という趣。

でも、こんなことをいうと、今のご時世『男女平等に反する』と言われてしまうかもしれません。


実際のところ、自衛隊に女性の戦闘機パイロットは存在するのでしょうか?

ちょっと調べてみましょう。

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女性自衛官の活躍

自衛官に女性がいることは、今では珍しいことではありません。 

平成30年度末現在の女性自衛官の数は、14,686名です。 
自衛官の総数からすると、女性自衛官の割合は、およそ6.5%になります。


平成30年版防衛白書より引用

2021年現在の女性自衛官数(追記)

その後、女性自衛官の数は少しずつ増加しています。

2021年3月末現在、18,259人の女性自衛官が自衛隊に所属しています。

自衛官全体の女性割合も、3年前よりおよそ1.4%増え、7.9%に増加しました。


女性艦長の誕生

航空自衛隊ではありませんが、2016年2月には、海上自衛隊において初の護衛艦女性艦長が誕生しました。 

護衛艦「やまぎり」の艦長に就任したのは、大谷三穂2等海佐です。

大谷艦長は、1996年に女性1期生として防衛大学校を卒業した、海上自衛隊幹部女性隊員の先駆け的存在です。

護衛艦は、国際法上は軍艦と見なされます。ミサイルや魚雷を搭載し、領海やシーレーンの防衛、海外協力などの任務にあたります。 

護衛艦というとソフトなイメージを持ちますが、日本では“軍隊”を自衛隊と呼んでいるように、駆逐艦(軍艦)を護衛艦と呼んでオブラートに包んでいるだけです。

まだまだ少数ではありますが、そのように自衛隊でも女性指導者が少しずつ誕生しています。

女性の戦闘機パイロットは?

では、果たして自衛官の女性にパイロットはいるのでしょうか?

もちろん、自衛隊のパイロットといっても、戦闘機乗りだけがパイロットではありません。航空自衛隊には、戦闘機の他にも、輸送機や救難機のパイロットが存在します。

自衛隊のHPに、以前このような質問と回答が載っていたことがあります。

「航空自衛隊に興味があり、色々自分なりに調べて見ましたが日本の『女性戦闘機パイロット』はいないのでしょうか?」

自衛隊からの回答には、こう書かれていました。

「現在、航空自衛隊に女性パイロットはいるのですが、戦闘機パイロットはいません。 
彼女らは救難機や輸送機のパイロットとして国内のみならず、国際緊急援助活動等、海外においても活躍しています。 

今後、女性自衛官が戦闘機パイロットとして任務に就くことについては検討はされていますが、今のところ未定となっています。」

【西部航空方面隊 過去の質問一覧】

この当時の回答では、救援機や輸送機の女性パイロットはいるけれども、女性の戦闘機パイロットはいないということでした。

それが、後で記事を紹介しますが、2018年8月に自衛隊初の女性戦闘機パイロットが誕生したのです。

なぜ、今まで女性の戦闘機パイロットはいなかったのでしょうか?

女性の戦闘機パイロットがいなかった理由

最近まで女性の戦闘機パイロットがいなかったのは、自衛隊では、女性自衛官の『配置制限』を設けていたからです。

理由として、「母性の保護」や「近隣戦闘の可能性」を上げていました。

陸海空それぞれに配置制限があり、航空自衛隊では、女性の戦闘機・偵察機パイロットの配置を制限していたのです。

この配置制限に変更がありました。


2015年11月13日、見直しされた『女性自衛官の配置制限』が発表されました。
そこには、航空自衛隊の名前がありません。 

「女性自衛官の戦闘機等への配置制限解除」がなされたのです。

【女性自衛官の配置制限関連】
本日、防衛省において「女性自衛官の戦闘機等への配置制限解除」が決定されました。
航空自衛隊は、性差によらず個人の能力、適性及び意欲を有する隊員を全ての配置に登用することにより、男女ともに全ての隊員が等しく責任を担う組織として、我が国の平和と国民の皆様の安全を確実に守る努力を続けてまいります。   平成27年(2015年)11月13日

航空自衛隊HP

もちろん解除になったからといって、即、戦闘機パイロットになれるはずもなく、マッハの速さに耐えられる身体能力や適性がなければ、戦闘機パイロットにはなれません。

1995年に、航空自衛隊で女性操縦者養成が開始されて20年、女性にも戦闘機パイロットへの道がついに開かれたのです。

女性戦闘機パイロット誕生

2018年、ついに女性の戦闘機パイロットが誕生しました。

【毎日新聞 2018.8.24】
航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地の松島美紗2等空尉(26)が23日、F15戦闘機の訓練課程を修了し、日本初の女性戦闘機パイロットになった。24日付で九州・四国上空を守る第5航空団に配属される。

毎回新聞

女性初の戦闘機パイロットとなった松島美紗2等空尉は、男性同様の訓練をおよそ2年間うけて、訓練課程を見事終了されました。

記事中にある第5航空団とは、宮崎市の北、宮崎県のほぼ中央部、海沿いにある新田原基地のことです。

新田原基地には、F-15戦闘機を運用する第305飛行隊があり、24時間体制で対領空侵犯措置任務に就いています。

戦闘機でマッハ2.5のスピードになると、身体に最大で9Gの負担がかかるといいます。

これから厳しい任務が待っていますが、女性戦闘機パイロットの魁として、松島2等空尉には頑張ってほしいと思います。

そして、やがては女性初のブルーインパルスのパイロットとして、活躍してもらいたいですね。


【関連記事】⇒『ブルーインパルスのパイロットその後は?


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