日本保守党のエネルギー政策を確認 安全保障上の課題にどう向き合うのか

政治・経済関連

2023年10月17日、日本保守党が結党の集いを東京都内で開催しました。

気になるのは、日本保守党がどのような政策を掲げているかという点です。

今回は特にエネルギー政策に関して、日本保守党がどんな考えを持っているのか確認してみたいと思います。

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日本保守党のエネルギー政策

日本保守党のホームページには【日本保守党の重点政策項目】として8つの政策が掲げられています。

その中の7項目目に『エネルギーと産業政策』があります。

エネルギーに関する箇所を抜粋します。

7.エネルギーと産業政策
(日本の優れた省エネ技術を守り活用する。過度な再エネ依存は国益に反する)

25.再エネ賦課金の廃止
26.エネルギー分野への外国資本の参入を禁止する法整備
27.わが国の持つ優れた火力発電技術の有効活用
28.電気自動車への補助金廃止(日本の自動車産業の不利益をつくらない)

日本保守党の重点政策項目

一つ一つの項目に関して確認してみましょう。

再エネ賦課金廃止

再エネル賦課金とは、正式には『再生可能エネルギー発電促進賦課金』といいます。

再生可能エネルギーは、水力・太陽光・風力・地熱・バイオマス等によって発電されたエネルギーのことです。

電力会社は『再生可能エネルギーの固定価格買取制度』によって買い取った電力費用を、各世帯から電気の使用量に応じ再エネ賦課金として、毎月の電気料金にプラスして請求しています。

記事を書くにあたり我家の再エネ賦課金額を確認してみましたが、直近月で571円でした。

この買取制度は東日本大震災後の翌年2012年7月から開始された制度です。再生エネルギー普及拡大のため、国民にコスト負担をさせている制度といえます。

日本保守党は、その再エネ賦課金を廃止することを政策として掲げています。

「過度な再エネ依存は国益に反する」と政策項目に書かれているように、賦課金に頼るような制度には反対ということなのでしょう。

外国資本の参入禁止

次の項目には、エネルギー分野への外国資本の参入を禁止するために法律の整備をおこなうと書かれています。

“制限” ではなく “禁止” することが法律的もしくは国際法的に可能なのかどうかわかりませんが、エネルギー供給と外国資本という安全保障に関わる問題に踏み込んでいる点は評価できます。

特に、独裁国家の資本に頼ることが日本の安全保障にとってどれだけ危険かということには留意すべきです。

火力発電技術の活用

2011年3月11日の福島第一原発事故以降、日本国内の原発は停止されました。

その後原発再稼働は進まず、現在稼働中の原発は12機のみ(2023年10月末)で、日本の発電は火力発電に頼っています。

震災前と現在の日本のエネルギー比率は以下の通りです。

太陽光パネルの廃棄問題や風力発電の自然への悪影響が取りざたされる中、2030年度には再エネによる発電割合を36~38%まで高めようと、政府は計画しています。

では日本保守党がいう『優れた火力発電技術の有効活用』とはどういうものなのでしよう。

火力発電の有効活用がもっと進めば、再生可能エネルギーや原発に頼らずとも、火力発電で十分賄えるという事なのでしょうか。

特にこの件に関して、日本保守党としての詳細な見解は出されていないようですが、日本保守党が結党する前に百田氏と有本氏が動画(2023.7/25)で以下のように語っています。
02:21:37~ご覧ください。

電気自動車補助金廃止

次に、日本保守党は電気自動車補助金廃止を掲げています。

電気自動車補助金とは『クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)』のことです。

政府は、価格が高めの電気自動車に対して購入時に補助金を出すことで、ガソリン自動車から電気自動車にシフトしていきたい考えです。

補助金により国民の購買意欲が高まれば、電気自動車の量産がすすみ価格低減につながります。更に企業は設備投資や研究開発投資を進めていくことでしょう。

そもそもなぜ政府が、ガソリン自動車から電気自動車にシフトして行きたいかといえば、地球温暖化防止のために二酸化炭素の排出量を減らしたいからです。

しかし電気自動車にシフトしていけばおのずとガソリン自動車の需要が縮小していきます。

自動車産業は日本にとって基幹産業といっていい分野です。

日本保守党が電気自動車補助金廃止を政策目標の一つとするのは、この流れを止めたいという意図があると思われます。

原発再稼働は?

日本保守党のエネルギー政策を確認してきましたが、見てわかる通り、火力発電技術の活用以外は積極的な意味でのエネルギー政策への言及はありません。

エネルギー政策でいえば避けて通れないのが、原子力発電所を今後どう活用していくかという論点です。

現状、日本保守党の政策集ではそのことに触れていません。

当然、党内外からこの件に関する指摘はあるでしょうから、今後政策集の中で原子力発電に対する日本保守党のスタンスを明確化していくでしょう。

ちなみに先ほどの動画で百田氏は「原発も大事」と発言していました。

海底資源の活用

「日本には資源がないから」
戦後日本でずっと言われてきたことです。

しかし日本のEEZ(排他的経済水域)は世界第六位の広さがあり、海底は資源の宝庫です。

もちろん海の鉱物を資源化するために克服しなくてはならない課題はありますが、資源大国としての可能性を秘めている日本であることは間違いありません。

資源大国の可能性を阻害するのは、原油や天然ガスの輸入を主導してきた旧来の既得権益の存在です。

自前資源は、彼らが築いてきた日本の利益構造を根底から崩してしまうことになるので、抵抗も激しいでしょう。

既存の政党がこの分野に切り込むことは容易ではありません。

日本保守党には、自前資源の開発に対する政策提言をぜひ行ってほしいものです。


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