自公連立政権はいつから続いているのか 連立を解消したらどうなる?

協力・連立① 政治・経済関連

2012年12月26日から発足した第二次安倍内閣、紆余曲折はあったにせよ、選挙では連戦連勝でした。

これを支えたのは自民党と公明党のいわゆる自公連立であり、公明党の力なくしてここまでの長期政権は続かなかったでしょう。

自公連立はいつから始まり、どのような意味があるのか、はたまたもし連立を解消したらどうなるのか、考えてみました。

Sponsored Link

自公連立いつから

自公連立は、1999年10月に発足した小渕恵三内閣から始まりました。

この時は、当時の小沢一郎率いる自由党も含めた、自自公連立からの出発でした。

歴史を振り返ると、自公連立はすでに、20年以上が経っていることになります。


1955年から始まった『55年体制』。

これは保守政党の日本民主党と自由党が合併して、自由民主党が成立した時からの政治体制をいいます。

長く政権の座にあった自由民主党が、初めて野党に転落したのが、1993年でした。

この時、日本新党や新生党、日本社会党や公明党など8党連立の細川護熙政権が、誕生しました。


結局これ以降は、一党による政権運営は困難となり、複数の政党による連立政権が今現在も継続されています。

自公連立の影響

自公連立のメリットは、政権が安定するという点です。

安定した長期政権ができれば、長期的な視野で政策を遂行できますし、安易なポピュリズムに走ることを控えるようになります。

選挙を戦う上で、得票の安定が図れることは、自民党にとって大きな利点なりますが、それを支えているのが公明党の創価学会票です。

選挙への影響

1996年の衆議院選挙から、小選挙区比例代表並立制が導入されました。

この仕組みは、二大政党を生み出しやすい選挙システムです。


小選挙区で、小さな政党が選挙で勝ち上がるのは、例外を除いて困難になります。

例えばある選挙区で、自民党議員が11万票をとって当選したとします。

この時、次点で敗れた立憲民主党議員は、8万票で3万票の差をつけられたと想定します。

他の立候補者は共産党議員で、2万票獲得しています。

この選挙区では、隠れた2万票強の公明党票が、自民党票の中にあることに気が付きますでしょうか。


公明党は、2017年の衆議院選挙で、比例票6,977,712を獲得しています。

この得票を単純に289の小選挙区数で割ると、1選挙区に約24,000票を割り当てられます。

もし公明党が自民党との連立をやめて、立憲民主党サイドについたとします。

そうすると、2万票の公明党票が移動することになるので、先ほど例に出した選挙では、自民党議員9万票、立憲民主党議員10万票で、立憲民主党議員が当選することになります。


公明党票はベースが創価学会票ですので、他の政党よりも確実な票数を読むことができるのです。

小選挙区の多くの自民党議員は、この公明党票に依存している現実があります。

当然、政策の良しあしではない範疇で、公明党の意見に対して耳を傾けなければならなくなることが想像できます。

権力の魅力

公明党としてのメリットは何でしょうか。

本来、自民党と公明党は、政策面で異なる点が多かった政党です。

一番の違いは何といっても、日本国憲法に対する考え方です。

憲法改正を党是としている自民党に対して、以前の公明党はまったくの護憲政党でした。

にもかかわらず、なぜ連立を組み続けるのでしょうか。


これは、政権与党としての “蜜の味” を知ってしまったからという、一語につきるでしょう。

野党の時には、良い政策であっても与党と違う政策であれば、ほとんど政治に反映されません。

ところが与党の一員になることで、公明党の政策が政権の方針に採用されることが多くなります。

特に民主党政権から自公連立政権に代わった2012年12月から、公明党は国土交通省の大臣枠を確保し続けています。

これがどれだけ大きな権力を握ることに繋がっている事でしょうか。

昨今、旧統一教会が自民党議員と関係して政策に影響を与えてきたようなことが取沙汰されましたが、創価学会の影響力に比べたら、まさに “月とスッポン” です。


また、与党と野党に対する官僚の態度も、まったく違います。

国会の役割は立法です。

その立法のうち、議員提出の法案はわずかで、ほとんどが政府提出法案です。

法律案は閣議決定される前に、自民党内で各部会の了承を得たうえで内閣に送られてきます。

法案によっては自民党部会内で激しく議論されることもあり、その場には関係省庁の官僚が出席して、議員からの提案や質問に対応します。

また官僚はその法案に反対する議員に対して、ご説明と称して個別に説得して回ったりもします。


自民党ほどではないにしても、官僚は根回しのために、公明党に対してもそれなりの対応をしていると思われます。

与党と野党では、政治を実際に動かしているという実感が雲泥の差なのです。

連立解消したらどうなる?

2009年9月から2012年12月までの約3年3ヵ月、民主党や国民新党による政権が誕生しました。

この間は、自民党・公明党ともに野党となりましたが、その自公関係は維持されました。


今後、自公連立が解消されることはあるのでしょうか。

もし解消があるとすれば、もっと憲法改正論議が活発になってきた時でしょう。

基本的に公明党は護憲政党です。

改憲に対する自民党への譲歩にも限界があり、創価学会の意見を無視するわかにはいかないのです。

しかし今回の新型コロナウイルスの問題で明らかになったように、現在の日本国憲法では有事の緊急事態に強制力をともなう措置を政府は取れません。

改憲をのぞむ自民党の議員たちは、この問題を早急に解決したいと、憲法改正議論を進めるはずです。

それに対して、公明党がついてこれるのかが、ポイントになるでしょう。


日本維新の会や国民民主党の一部など、改憲勢力は徐々に増えています。

すぐに連立解消といかないまでも、選挙制度を変えるなどして、公明党に頼らなくても自力で選挙に勝てる仕組みを、自民党は少しずつ作っていくのではないでしょうか。


【関連記事】⇒『創価学会と旧統一教会はどんな違いがあるのか

コメント

タイトルとURLをコピーしました