IMFは消費税15%引き上げをなぜ日本に提言してくるのか IMFって何?

お金・消費税 法律・行政関連

上げてはいけない消費税を10%に上げてしまい、消費が落ち込んでいます。

消費が落ちこめば、物を作っても売れないので、生産者は生産を抑制します。生産を抑制した分、コストや人員削減または雇用者の給与を減らさざるを得ないのが、経営者の立場です。

給与を下げられたり、職を失えば、消費をおさえようと人は心がけます。こうして、デフレのスパイラルが続いていくのです。


更に、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、中国との輸出入が抑制され、日本が経済的に大きなダメージを受けることは確実です。

にもかかわらず、IMFはこんな提言を日本にしてきています。

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IMFの提言

【JIJI.COM 2020.2.11】
国際通貨基金(IMF)は10日公表した日本経済に関する年次審査報告書に関し、新型コロナウイルスによる肺炎感染の拡大は「新たな景気へのリスク」と警戒感を示した。

高齢化による社会保障費増大で財政悪化が深刻になると懸念。消費税率を2030年までに段階的に15%へ引き上げるよう提言した。

JIJI.COM

日本は外圧に弱いと、よく言われます。

国際機関から何か言われると、あたかもそれを絶対的権威のように受けとめ、それに従おうとする傾向にあります。

“国連信仰” などと揶揄されたりするのも同様です。日本人がそれだけ、真面目といえば真面目すぎるのですが。

それをわかっていて、国際機関をうまく利用する人達もいます。

ここで取り上げたIMFは、その典型例です。

IMFとは?

IMF①

IMFという組織について確認してみましょう。

IMF(International Monetary Fund)は日本語で、国際通貨基金と呼ばれています。

1944年に設立されたIMFは、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.に本部をおき、現在世界の189カ国が加盟しています。


IMFの業務については、財務省のHPから抜粋します。

○加盟国からの出資等を財源として、対外的な支払い困難(外貨不足)に陥った加盟国に、一時的な外貨貸付という形で支援を行い、その国の危機克服の手助けをする。

○世界全体、各地域および各国の経済と金融の情勢をモニターし、加盟国に経済政策に関する助言を行う(サーベイランス)。なお、秩序ある為替取極を確保し、安定した為替相場制度を促進する観点から、サーベイランスへの協力はIMF協定上の加盟国の義務とされています。

○マクロ経済・財政・金融等の分野での専門知識を備えた政策担当者が不足している加盟国に対して、加盟国の要請に基づき専門家を派遣し、その政策遂行能力を高めるための技術支援を実施する。

IMFの概要(財務省HP)

IMFの権威利用

このIMFという国際機関の権威を利用しているのが、財務省です。

IMFには、150カ国からおよそ2600人が、スタッフとして働いています。

IMFのトップの役職は専務理事で、現在はブルガリアのクリスタリナ・ゲオルギエヴァ氏が務めています。

専務理事の下には4人の副専務理事がおり、その1人が日本人の古澤満宏氏(元財務官僚)です。

【朝日新聞DIGITAL 2019.4.29】
国際通貨基金(IMF)の古沢満宏・副専務理事が25日、朝日新聞のインタビューに応じ、今年10月に予定されている消費税の引き上げが再び延期されれば、「日本の政策決定についての信用が失われるリスクがある」と述べた。

国際的にも約束している財政の健全化に、政府が着実に取り組むことを求めた。

朝日新聞DIGITAL

財務省に抵抗して、2度の消費税増税を見送った安倍首相が、3度目の機会に消費税増税に踏み切った理由が、古沢満宏氏が語っている『国際的信認失墜』の回避でした。

消費税を上げると言って再々延期したら信用を失うから、経済が悪くなってもそれを優先するというのです。


日本のIMFへの出資額は、米国に次ぐ2番目の金額で、全体の出資額のおよそ6.5%にあたります。

財務省から何人かの出向者を送り、トップ人事の一角に財務省出身者を配置して、財務省の意向をIMFを通じて発信しているといえます。

IMFの提言を聞いた日本人の多くは、消費税を上げることに対して、「日本の借金のことを考えたら仕方ないか」「社会保障費が年々増えているのだからやむを得ない」と思ってしまいます。

日頃からテレビや新聞を使って、財務省が国民に刷り込んでいる内容に、国際機関IMFの提言をプラスさせて、宣伝しているといってもいいでしょう。

“IMFの提言” はまさしく、“財務省の願望” とイコールと考えてよいと思います。

要・メディアリテラシー

どこの国でも経済が上向きであれば、その時の政権が多少まずい政策をおこなっても、国民は政権に対して寛容であります。

逆に経済的に落ち込んでくると、国民の不満は政権に向けられ、選挙で大敗する結果になってしまいます。

安倍政権も同様です。

ただ安倍政権が今までもってきたのは、あまりにも野党がだらしなく、政権を任せられないと国民の多くが思ってきたからです。


安倍政権での消費税15%はないでしょうが、財務省が現在の力を維持している限り、どんな政権になっても『消費税15%』という未来は充分ありえます。

いずれにしても、マスメディアだけの情報に頼ることなく、複数の情報を取り、自分の頭で考える癖をつけたいものです。

最後にちょっと古い記事ですが、元財務官僚の高橋洋一氏の記事を張り付けておきます。

【J-CASTニュース 2013.8.8】
筆者も役人時代には、IMFの他にも国際機関が日本に関する報告書を作成するときに、協議に加わったことがある。

その場合、国際機関の報告書という体裁をとっているものの、実質的には日本政府の主張である。よくいえば、日本政府と国際機関の共同作業である。いずれにしても、日本政府の意向に反するものが書かれることはまずない。

IMFについていえば、日本は第2位の出資国である。いうなれば大株主である日本政府を無視できるはずがない。さらに、日本は大株主の力を背景にして、IMFのナンバー2である4人いる副専務理事ポストの一つを確保している。このポストは歴代財務省財務官の天下りポストだ。

そのほかにも、日本はIMFの理事ポストも持っており、これも財務省からの出向者だ。理事を支えるスタッフとして理事室があるが、その職員も財務省からの出向者が多くいる。

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