自民党総裁の任期は3年です。
現在の自民党総裁である菅義偉総裁は、安部前総裁の任期を引き継いで総裁になったので、任期満了は今年の9月30日までとなります。
無投票再選を望んでいた菅総裁でしたが、先日の横浜市長選挙で、小此木氏が惨敗したことで、その願望は絶たれてしまいました。
菅政権の新型コロナウイルス対応に、国民の厳しい声が集まる中、菅首相は次の自民党総裁選で再選を果たすことができるのか。
自民党の現状に危機感を持ったのが、今までは自民党総裁候補として、ほとんど名前が上がったことがない高市早苗議員で、次の自民党総裁選に名乗りをあげました。
果たして高市早苗議員は、自民党総裁選で勝利することができるのでしょうか。
可能性について、探ってみたいと思います。
自民党総裁選の概要
通常の自民党総裁選は、自民党所属の国会議員と自民党党員・党友の投票によって決まります。
国会議員は一人一票で、自民党党員・党友の票は集計して、ドント方式で国家議員数と同じ票数を割り当てます。
もし仮に立候補者が3名以上いて、最初の投票で最高得票者が過半数を取れなかった場合、1位と2位の得票者での決選投票がおこなわれます。
この時は、国会議員と都道府県連による決選投票で、雌雄を決します。
総裁選には誰でも立候補できるわけではなく、自民党の国会議員20名の推薦人が必要です。
マスメディアから首相候補として名前が度々あがる野田聖子議員は、毎回ここをクリアできずにいます。
推薦人がそろって始めて、総裁選のスタートラインに立てるのです。
高市早苗の派閥
高市早苗議員は現在、特定の派閥に所属していません。いわゆる無派閥です。
ずっと無派閥だったかというとそうではなく、元々は清和政策研究会(現・細田派)に所属していました。
では、なぜ無派閥になったのでしょうか。
2012年9月に自民党総裁選がおこなわれ、清和会からは、町村信孝議員(故人)が出馬しました。清和会では前年から、総裁選への町村議員擁立の動きが活発化していました。
これに対して高市早苗議員は、「町村氏を応援するつもりはない」と早々に清和会を脱会したのです。
<山本一太ブログより>
この総裁選では、安部晋三議員が二度目の自民党総裁に選出されましたが、その時の推薦人20名の中に、高市早苗議員の名前があります。
高市早苗議員は、今回の総裁選出馬に関して、安倍晋三議員に話を伝えています。
最初は高市早苗議員が、安倍晋三議員本人に総裁選再出馬を要請し、断られたので自身が出馬を決めたと、FNNの記事には書かれています。
しかし、安倍晋三議員が断ることは、最初からわかっていたはずです。
高市早苗議員は、それを見越した上で出馬意思を伝え、現状の安倍晋三議員の腹の内を探ったのではないでしょうか。
総裁選で勝つ可能性
高市早苗議員は、自民党総裁選に勝つことができるのでしょうか。
まず第一に、推薦人20人を集めることができるかという大きな課題があります。派閥に所属していない状況で、推薦人20人はかなり高いハードルです。
これをクリアすることは、自力では難しいかもしれません。
高市早苗議員にとっては、自民党内で今以上に「菅首相では総選挙を戦えない」という声が多数を占めてきた時にチャンスが訪れます。
自民党総裁選の告示日は9月17日(投開票9月29日)に決まりました。
“菅首相の続投は自民党にとって致命傷” と安部晋三議員が判断したら、『菅押し』のトーンが下がり、その影響で高市早苗議員の推薦人が20人集まる可能性が出てきます。
次の首相候補としてよく名前が上がる岸田議員や石破議員、河野議員への安部晋三議員の評価はあまり高くないと聞きます。
衆議院選挙の党の顔として、菅、岸田、高市の誰を、自民党の国会議員と党員が望むのか。
高市早苗議員がダークホースとして、しばらく目が離せない存在であることは間違いありません。
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