バドミントンの奥原希望選手のあるツイートが記事になっています。
ツイートはこちらです。
テニスには敵わないが、少しずつ賞金額が上がっていることはとても嬉しい。ただその10%を協会に納めることになっているので、桃田選手は1人で約500万。そろそろその使い道を選手は知る権利があるのでは?また上限を決めてもいいのではないでしょうか?皆さんどう思いますか? https://t.co/upOHhE5sMr
— Okuhara Nozomi 奥原 希望 (@nozomi_o11) May 17, 2020

ここで問題提起されているのは、2点です。
- 賞金総額の10%を協会に納める事
- 選手が納めたお金の使い道の透明化
このツイートに対して、日本フェンシング協会の太田雄貴会長がすぐに反応して、提案してくれています。
理事の中にはメディアをどうして発言を目にするのを快く思わない人もおられるので、円滑に進めたければ、
— YUKI OTA/日本フェンシング協会 (@yuking1125) May 17, 2020
1.選手会の設置
2.選手会長が理事or選手会担当理事をつけてもらう。(事務局に担当者付くとベター)
3.理事会で議案として扱ってもらう。 https://t.co/wi5QBYO35i

『選手会』と聞くと、プロ野球やプロサッカーの協会が、頭に浮かびます。
実際に、アマチュアスポーツの『選手会』は存在するのでしょうか?
この機会に、確認してみたいと思います。
スポーツ選手会
スポーツ選手会といえば、まず浮かぶのが、日本プロ野球選手会です。
日本プロ野球選手会
日本プロ野球選手会の歴史の詳細は、こちらを見てください。【日本プロ野球選手会】
1980年に社団法人として法人格を取得した後、1985年には東京都地方労働委員会に労働組合としての認定を受け、労働組合となりました。
かなり長い歴史があります。
全12球団のすべての日本人選手が加盟しています。
日本プロサッカー選手会
日本にプロサッカーリーグでき、Jリーグの試合が始まったのが、1993年でした。
翌年の1994年には、選手会の設立準備がすすめられ、1996年当時の柱谷哲二選手が会長に就任しています。
こちらも設立から既に、四半世紀近くが経とうとしています。Jリーグの日本国籍選手と海外で活躍する日本国籍選手の加盟が可能です。
アマチュア選手会は存在する?

では、他のアマチュアスポーツでは、選手会は存在しているのでしょうか?
奥村選手が賞金金額を比較していた、テニス界はどうでしょう。
テニスでは、アマチュアではありませんが、つい最近の2019年に、全日本男子プロテニス選手会が発足しています。
正会員は、プロ登録選手(JTAランキング100位程度が目安)です。
会長に就任した添田豪選手は会見で、以下のような言葉を語っています。
「それぞれがいいアイデアを持っていても、テニスのような個人スポーツでは、その意見が上(協会幹部)まで吸い上げられる機会はない。選手会というかたちで存在を認めてもらえれば、より大きな発言力になる」
NumberWeb
テニスの選手会は過去にもあったようですが、その後自然消滅してしまいました。設立しても継続していくことは、もっと難しいようです。
奥原選手にアドバイスした太田雄貴会長が牽引するフェンシング界は、どのようになっているのでしょう。
日本フェンシング協会では、協会内に選手会を設けています。協会内で選手の声を吸い上げている感じです。
なかなかアマチュアスポーツ界では、先駆的に選手会での活動をしているスポーツはありません。
と、ここで「奥原選手って、アマチュア選手?」という疑問がわきました。
【朝日新聞DIGITAL 2018.12.27】
朝日新聞DIGITAL
バドミントン女子シングルスで2016年リオデジャネイロ五輪銅メダルの奥原希望(23)が27日、東京都内で記者会見を開き、来年1月からプロ選手に転向することを表明した。12月末で日本ユニシスを退社し、化学メーカーの「太陽ホールディングス」(本社・東京都豊島区)からスポンサー企業として支援を受ける。契約は2020年末までの2年間。
すみません、プロ選手でした。
ということは、昨年発足した全日本男子プロテニス選手会をモデルにして、男女&実業団選手を含んだ選手会にしていく挑戦は可能かもしれません。
ただし、簡単な道程ではないでしょうが。
もしくは、フェンシングの太田雄貴会長が、ツイートで提案しているようなフェンシング協会モデルを、バドミントン協会に導入してもらう方法です。
独立した組織ではありませんが、こちらの方が、取りくみやすい方法ではあります。
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