中国公船が尖閣諸島周辺海域に、何日も連続で侵入してきています。
6月21日には、漁を終えた日本漁船が、中国公船に追い回されました。
メディアには、中国による “領海侵犯” という言葉が見出しに載ることもありますが、領海侵犯とは領海内に入ることを言うのでしょうか?
でも、どうやら違うようです。
領海侵犯とはどういった意味なのか、確認してみます。
領海侵犯とは何か

国家には、領土・領空・領海(海に面した国のみ)の主権が、認められています。
領土は説明するまでもないかと思いますが、領空は、領土もしくは領海上の空域をいいます。領海は、領土(基線)から12海里(約22.2㎞)の範囲で、認められています。
では、領海内に侵入したら即 “領海侵犯” と認定されるのでしょうか。
それは違います。
そもそも “領海侵犯” という言葉自体ありません。船舶が他国の領海に入ること自体は、認められているのです。
すべての国の船舶は、他国の領海においても、無害通航権を有しています。
無害通航権とは、その文字から何となく理解できるように、秩序を守り、安全を失することがないように、他国の領海であっても通航することができる権利のことです。
これは当然、中国にもあてはまります。
尖閣諸島海域を通航するだけなら、日本がそれを咎めることはできません。
しかし、日本の漁船を追い回したとなれば、明らかに無害通航権を行使している航行とは言えないわけです。
これは正に、中国により『領海を侵犯されている行為』であることは間違いありません。
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